「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「昭和館」からの案内と断捨離の心

2014-03-07 06:40:40 | Weblog
東京九段にある国立博物館施設「昭和館」で3月15日から5月11日まで同館の3階特別展示室で「夢と希望と困難と~昭和の働く女性展」が開催される旨、案内状を頂戴した。数年前、屋根裏の物置を整理したさい、亡母の遺品の中から国防婦人会のたすきや幾つか戦時中のものが出てきたので、これを「昭和館」に寄贈した。これが今回展示されることになった。

正直言って、僕は「昭和館」に何を寄贈したのか忘れてしまった。それだけ、わが家にとって、あってもなくてもあまり意味のない”ガラクタ”類だったと思う。しかし、今回このような形で”ガラクタ”が展示され、大勢の人にみて貰えるのは本望の限りだ、断捨離の心を押し切るのも必要だという例である。

わが家は大正大震災にも東京大空襲にも会っていないが、僕の代になってからの転勤と引越しで、古くからのものが散逸してしまった。しかし、祖父の江戸時代末期のサムライ姿の写真(1863年)とか、未整理の古文書が残っている。現役時代は忙しくて、とても整理に手が回らなかった。やっと時間は出来たが、やはり断捨離であり”捨てられない症候群”である。僕の次の代になれば、二束三文になりゴミとして処理されてしまうものもある。断捨離は一つの業のようなものかもしれない。

「昭和館」の案内を受けてとりあえず手元にあった亡父の遺品箱を見たら、父母の結婚式の時の結納目録が出てきた。今デパートで売っている期成のものではなく、長紙に墨で自筆したものだ。百年ほど前のもので、古文書とは言えないが、意外とこうした庶民のものが残されていないのではないか。気候のよくなる春を待って、屋根裏にのぼり本格的な整理をして、しかるべき施設に寄贈したい。


(亡父の亡母宛ての結納目録)
一、勝男節(鰹節)       壹臺
一、子生婦(昆布)      壹丈
一、友志ら賀         壹臺
一、寿留め(するめ)     壹蓮
一、末広(扇子)       壹対
一、家内来多留        壹荷

袴代