「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

在宅介護と特養ホーム待機老人

2014-03-28 06:12:30 | Weblog
特別養護老人ホーム(特養ホーム)への入所希望者が全国で52万4千人いるという。これは4年前の平成21年の厚労省の調査よりも10万人も増えている。現在83歳の僕の実感でも日本人の高齢化は雪だるま式に増えている。これに対して、老人福祉は対応できていない感じがする。特養ホームは全国に7865か所もあるのだが、これが全部満杯だとのことだ。

4年前、78歳の時には僕はまだ元気であった。毎日早朝の町のラジオ体操に参加、中東ドバイへ旅行したりできた。白内障の手術で視界も良好になり、毎晩焼酎で晩酌を楽しんでいた。しかし、昨年暮、歩行の困難から膝に人工関節をいれる手術の結果、国から「身障者4級」「介護1」の認定を受けた。僅か4年の間に老化が進んできた。ついでに日記を調べると、10年前の73歳の時には、2回も海外旅行にでかけ、毎日元気に1万歩は歩いていた。

確定申告で昨年度の僕の医療費を計算したら年間30万円近く支払っていた。膝の手術のほかに膀胱ガンの手術でも入院している。そのほかに高血圧と糖尿病の治療で月1回クスリを貰っている。10年前は高血圧の治療で月の支払いは千5百円だったが、後期高齢者医療保険の導入もあって、今は5千円以上に膨れ上がっている。

国の老人福祉の基本は在宅介護だそうだ。特養ホームへの入居者も介護度の高い4,5の人を優先させている。従って介護1の僕は希望しても入居できないが、僕の周囲にも独居高齢者が増えており、中には老人福祉について知識がない人が意外に多い。在宅介護を優先するならば、国の福祉関係者は、特養ホームの増設と並行して、在宅医療の環境整備をすすめてほしい。今は元気な団塊世代でも、僕の体験から10年先には介護が必要な老人が出てくる。