「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

屈辱は晴れましたか 石原慎太郎氏の”老害”

2017-03-04 06:50:00 | 2012・1・1
石原慎太郎元都知事の記者会見を昨日テレビの生中継で見た。石原氏の会見は都議会百条委員会の召喚(20日)を”待ちきれない”として氏の希望で開かれたものだが、会見に先立ち、その心境を”屈辱を晴らしたい。果し合いに行く、昔のサムライの気持ちだ”と語っていた。この会見の前に開かれた定例の会見で小池百合子都知事は”(石原氏の発言は)この時代の人独特の言いかたです”と軽く聞き流していたが、石原氏より高齢の僕が聞いても恥ずかしい大時代的な発言である。

豊洲市場問題の核心は、移転をめぐる過去の行政側の対応について、どうして、こうなったのか、当時のトップだった石原氏から聞きたいのであって、石原氏の個人的な屈辱を晴らすものではない。都民は石原氏が記者会見で、何か新事実を明かすのではないかと、若干期待していたが、結果的には、相変わらず”知らず””存ぜず””記憶にない”の連続であった。いみじくも会見後、石原氏が記者団に語っていたが”果し合い”の成果は五分五分だった”つまり、やらずもがなの会見であった。

石原慎太郎元知事には悪いが”老害”が始まっている。都民の多くは、何故巨額の費用を使って、こんな市場が出来たのか、これからの反省を兼ねて知りたいのであって、過去の知事から、現知事への批判を聞きたくはない。石原氏は、小池知事は”安全と安心をとり間違い、迷路に入っている”と批判しているが、石原氏は、あの盛土がなく、水浸しの市場のままでも市場をオープンすべきだったと思っているのだろうか。案の定、その後の地下水調査でも危険物が発見されている。

石原氏の発言は責任逃れと取られても仕方がないものだった。それよりも、現在進行中の問題に対して、過去のハエも追っていない人物が、口を出すべきではない。過去の栄光に自己陶酔した男の老害である。