「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ベトナム人少女の悲劇 もっと相互理解を!

2017-03-31 06:52:36 | 2012・1・1
千葉県我孫子(あびこ)市に住むベトナム籍の10歳の少女が、近くの松戸市の排水路で痛ましい遺体で発見された。ベトナムというと、最近まで一般日本人にとっては、かっての「ベトナム戦争」の当事国ぐらいの認識だったが、今年2月、天皇皇后両陛下の親善訪問もあり、身近な国になってきた。それは記録の数字でも裏付けされている。法務省の記録(2015年)によると、在日外国人234万7000人のうち、ベトナム人は中国、韓国、フィリピン、ブラジルについで第5位で14万6956人もおり、注目されるのは前年に比べて47.2%と飛躍的な伸びをみせていることだ。

在日ベトナム人が急増している原因は「外国人技能実習」制度である。かっては中国人が多かったが、ここ数年はベトナム人のほうが真面目でよく働くというので、受け入れ企業に好まれるようになってきた。しかし、一方、企業からすぐに”失踪”するベトナム人も多く、2015年1年だけで1000人近くのベトナム人がいなくなっている。彼らの多くは、そのまま日本に不法滞在しているが、”失踪”の原因は、言葉の問題もあるが、相互の文化、習慣の無理解によるものだ。とくに、日本の受け入れ企業に問題があるようにみえる。

1992年から93年にかけて、僕は無料のボランティア活動で、当時入管法の改正により、大挙して来日した日系インドネシア人の就労問題に取り組んだ。彼らは主として戦後インドネシアに残留した元軍人、軍属の二世、三世だったが、受け入れ企業側の文化習慣の無理解からトラブルが続出した。殺された少女の在留条件は不明だが、確かに最近「ベトナム」が、昔と違って”身近に”感じるようになってきた。東京の食べログには200軒ものベトナム料理店がある。が、その割には、日本人はベトナムについて知らないような気がする。戦争中、この国が仏印と呼ばれ、旧日本軍の南方軍総司令部がダナンにあったことなど、ほとんどの日本人はしらない。