「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”戦前回帰 ”散兵戦の桜

2017-04-11 05:24:45 | 2012・1・1
今年の東京の桜はいつまでも長持ちしている。開花宣言が出たのが3月22日だから20日間も都民の目を楽しませてくれている。(写真は昨日、自宅近くの緑道で撮影)しかし、戦前の日本人の桜感覚からいうと、どうなのだろうか。子供だった僕でも桜はパッと咲き、パッと散る、その散り際が美しいのだと教えられた。旧制中学の教練の時間の軍歌演習では”大和男(やまとおのこ)と生まれなば散兵戦の花と散れ”(歩兵の本領)と大声で歌ったものだ。

”戦前回帰”という言葉を目にするようになった。よく解からないが、戦前のすべて日本は美しかった、正しかったとして、あの時代に回帰しようというもののようだ。確かに政治家の中には「道徳」教育の正課にからんで「教育勅語」を云々したり、武力衝突にもなりかねない法を拡大解釈しようとしている者がいる。

戦争が後1年、2年続いていたら、散兵戦の花と散った世代である。”戦前回帰”する前に、今の日本の平和の喜びをかみしめるべきである。満開の桜の下では、認証保育園の園児たちが保育士さんに連れれて遊んでいた。戦前はすべて好い時代ばかりではなかった。そういえば、戦争中、僕にはお花見をした記憶がない。