

”"ゴミのお茶"と訳してみたが、いかにもジャワ的な飲み物だ。これなら僕も現地で飲んだことがある。ジャワの漢方薬、ジャム―(jamu)を思わせる味だが、あまり薬っぽくはない。中味は生姜(しょうが)、クローブ、シナモンの葉、カルタモン、スゥオ、黄色に変色した角砂糖などが一袋に入っている(写真)。早速頂いてみたが、美味しい。しかし、日本人には甘すぎる。氷砂糖は半分でよい。
過去半世紀の間にインドネシア各地を32回、旅行しているが、一番旅愁を感じるのは、ジョクジャがある中部ジャワだ。インドネシアに昔からある旅館(ロスメン)に泊り、夜明けの祈りを告げるモスクからのアザーンの声を夢うつつで聞き、ジョンゴス(使用人)が部屋まで運んでくれた熱いコーヒを飲む。部屋の前の小道には、鍬を担いだ農夫が通り、素っ頓狂な声をあげたもの売りが通り、伝統的な衣装のジャム―売りの女性が籠を肩にして通る。
ジョクジャに近いテマングー(temanggu)に住む、古き友人の元義勇軍のバンバン.プルノモさん(89)が病床にあり、甥の方からメールで近況のお知らせを受けた。僕が最後にジャワを旅行したのは2012年11月だが、その時、バンバンさんの紹介で泊ったロスメンはボロブドールのパオン遺跡に近いところにあった。ロスメンのベッドは昔ながらの”抱き枕”であった。もう一度バンバンさんのお見舞いを兼ねてジャワへ行きたいのだが、期限がきれたパスポートの更新する気力もなくなってしまった。