「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人には冷たい都立砧(きぬた)公園

2017-04-29 05:44:48 | 2012・1・1
大型連休を先取りして昨日、72年来の竹馬の友3人と弁当持参でバスに乗り近くの都立砧公園へ出かけた。四季折々の自然を求めて遊びに来るが、後楽園ドームの40倍という広い敷地は、木々の緑と芝生で目映ゆい。そんな緑の中で、遠足の小学生たちが三々ごご、芝生の上に座り弁当を食べていた。

杖突き老人の僕は友人の手を借りて、芝生の切り株を避けながら歩いたが、日頃の不摂生がたたって、100mも歩くと腰かけたくなる。しかし、”ファミリ―.パーク”を謳いながら、公園にはベンチが少ない。仕方がない、散在するトイレ伝いに歩いたが、トイレもまだ、すべて洋式ではなく座る場所がない。

半世紀以上も前、昭和37年、初めて英国を訪れた時を想い出す。宿舎近くののケンジントン公園には、いついってもお年寄りたちが座って懇談していた。当時、日本は今のように高齢化が進んでいなかったから、僕の目には異様に映った。多分、今の日本の高齢化は当時の英国以上であろう。

元気な友人二人にはついて行けず、僕は園内の売店のイスに腰掛け、一杯250円のコーヒを飲んでいたら、同年配と思しき老人が話かけてきた。やはり、歩き疲れたのであろう。ベンチがないので仕方がなく売店に立ち寄ったのだが、聞いてみたらなんと僕より6歳も上の92歳、海軍士官学校出身の方だ。

2020年の東京五輪を前に、いろいろ”おもてなし”の話が出ているが、都心の公共交通機関の駅でさえ、老人のバリアーが多すぎる。せめて上下のエスカレーターを完備し、トイレの洋式化を進めたらどうだろうか。都心に近く、これだけ緑に恵まれた砧公園は立派な観光資源である。老人にも配慮してもらいたいものだ。

写真左から3番目は、ベンチがわりなのか大きな切り株。4番目はまだ和式便器が残るトイレ。座る場所がない。