「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

朝鮮戦争が始った頃のトルーマンと今のトランプ

2017-04-13 05:27:09 | 2012・1・1
67年前、朝鮮戦争が勃発した昭和25年(1950年)6月25日のことを何故か今でも覚えている。大学2年の英語の授業の後の休み時間だった。同じクラスの朝鮮国籍のH君が悲痛の顔で”戦争が始まった”と大声を上げた。しかし、H君の声を聞いても僕はあまり、驚きもせず対岸の火事で、緊迫感はなかった。おそらく、敗戦から5年、戦争を放棄した新憲法が国民の間に徹底していたからであろう。

金日成(金正恩の祖父)率いる北朝鮮軍が、突如、南北国境の38℃線を越えて韓国内に侵入、あっという間に釜山にまで迫った。慌てた米国は国連安保理の緊急招集を求めたが、ソ連(ロシア)がボイコットした。このため米国のトルーマン大統領は、自国だけで国連軍の名のもとに軍隊を朝鮮半島に派兵した。その主力は在日米軍であった。戦争はその後、中国軍も北朝鮮を支援して3年余りにわたって続き、北側は200万、韓国40万、国連軍(米国)14万人も犠牲者を出したといわれている。

朝鮮半島の情勢がおかしくなっている。北朝鮮がまたまた核実験をしたり、長距離弾道弾を飛ばすのではないかとの情勢を受け、米国の原子力空母などの艦隊が針路を「北」の方向に変え、トランプ大統領は”武力攻撃も辞さず”と物騒な発言をしている。こんな諸情勢を勘案したのか、外務省は韓国在住の日本人、38000人ならびに渡航する人に対して「海外安全情報」をだし非常の場合の注意を呼び掛けている。菅官房長官も日本人の安全には万全を期していると記者会見している。

国交のなかった67年前の朝鮮戦争勃発時とは情勢は違う。しかも「北」は核と近代兵器の所有を豪語している。もしものことがあったら大変なことになる。朝鮮戦争の足跡を改めてチェックしてみて、あの時も、米国の独断と専行が戦争拡大の原因の一つだったことを知り、直情的に僕にはみえるトランプの今後の行動が怖くなってきた。