「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

天安門事件と政治混乱免疫力

2019-06-04 04:48:49 | 2012・1・1

1989年(平成元年)6月4日、北京の天安門広場で起きた「六四天安門」事件から30年を迎える。民主化を求めて蜂起した学生や若者を軍当局が戦車まで動員して鎮圧した事件で、619人(公式発表)もの犠牲者を出した流血の惨事は今なお記憶に新しい。中国政府はこの事件に対してAI(人口頭脳)まで駆使しして厳しい報道管制をしいているそうだが、3日付の政府機関紙「環球時報」は当時の政府のデモへの対応を擁護して”政治混乱への免疫力を強くした”と評価している。

天安門事件というと、一人の男が軍の戦車にたちはだかる写真が紹介されるが、これをモチーフとしたアート作品が、台北の観光地、中正記念堂前に公開されたという。30年の歳月の経過を感じるが、同じようなアートが天安門前広場に建設は許可されるだろうか。そこまでの”免疫性”はまだ中国政府にはないように見える。

30周年記念日を前に日本の民放テレビが天安門広場を車の中から撮影していた。交通渋滞でゆっくりした車の窓から撮っていたが、広場に駐車しての撮影は許可にならないのだろう。多分、今日(4日)も、天安門広場は交通規制の下、厳重警備がしかれるが、何事も起こらないだろう。これを”免疫力”といってよいのかどうか。

しかし、30年前天安門に集まった群衆の写真一つ見ただけ、中国は経済的に大躍進をとげている。いまだに人権に問題はあるのかもしれないが、かっての人民服に人民帽、自転車に乗った通勤姿は見られなくなった。