「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

戦後、歌詞が変わった戦時下の童謡

2019-06-10 05:45:54 | 2012・1・1

先日、老妻が参加した目黒区老人会の芸能大会で「お山の杉の子」の童謡が歌われ見事入賞した。この歌は僕も歌ったことがり、僕は戦時中の造林奨励の歌と記憶していたが、調べてみると、昭和19年発表の戦争遺児を励ます歌で、元歌の六番は「さあ負けるな杉の木に 勇士の遺児なら、なお強い 頑張って頑張って 今に立派な兵隊さん 忠義孝行ひとすじに お日様出る国 神の国」であったが、戦後時代に会わぬと歌われなくなった。

2008年文化庁から「日本の歌百選」の一つに選ばれた「汽車ポッポ」も、もともとは「兵隊さんと汽車」(昭和13年 富原薫作詞)で、御殿場出身の富原さんが富士の裾野の演習所へ行く兵隊さんを乗せた列車を歌ったものだったというが、戦後「汽車ポッポ」とタイトルごと歌詞も変更された。

「お山の杉の子」と同じ昭和19年11月「比島決戦の歌」というレコードが発売されている。歌詞のリフレンを紹介すると「出てこいミニッツ、マッカ―サー 出てくりゃ地獄へ逆落とし」であった。比島決戦は、米国軍の再上陸で悲惨な結果に終わった。大変な時代だったが、童謡のメロデイはそれを思わせない。元歌の歌詞も、時代を反映するものとして、歌わないまでも記録として残したいものだ。