「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

揺れる香港 半世紀前”慕情”

2019-08-20 04:50:30 | 2012・1・1

香港から中国本土への「逃亡犯条例」改正をめぐって香港が週末になると大揺れに揺れている。18日の日曜日にはビクトリア公園で、住民の大集会が開かれ170万人の群衆が道路を埋め尽くした。若者たちが細々と雨傘をもって始まったこの運動は、先週には国際空港を占拠したり、週を追うごとに激しくなってきている。

香港というと、僕ら昭和1ケタ世代にとっては、ヘンリー.キング監督の映画「慕情」(1955年)が想い出される。主演のジェ二ファー.ジョンズ扮する女医とウィリアム.ホールデンの米国従軍記者とのラブ.ストリーだが、筋そのものをもさることながら、映画に出てくる、香港のフェリー波止場などの風景に魅了された。「香港シャツ」という半そでの白地のYシャツが日本でも流行したのもこの頃であった。

香港島と対岸の九龍との間に海岸トンネルが完成したのは1972年だが、僕は一度も通行したことがない。つまり半世紀近く香港を訪れたことがない。しかし、60年代には仕事で3回、訪れている。だから僕の知っている香港は半世紀前の香港だが、当時、日本人は香港へ行くと、一日で背広を仕立てることが流行していた。それと「飲茶」を食べることだった。当時横浜でも「飲茶」はなかった。

僕にとっては半世紀前の香港に慕情がある。だから、揺れている香港の姿をテレビで見ると寂しい。問題の原因はたんなる「逃亡犯条例」の改正をめぐるものだろうか。やはり、長い間の体制の違いが原因している。観光客にとっては、香港が慕情であってほしいものだ。