「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          鳩山総理の”言葉力”

2010-02-18 06:46:56 | Weblog
鳩山由起夫総理と自民党谷垣禎二総裁との初の党首討論をテレビでみた。”政治とカネ”
をめぐって本来なら野党側の一方的な攻め勝ち、タオル投入の場面なのだが、今一つ。
民主党の”黄門”様,渡部浩三議員の言葉を借りれば、お二人の”お人柄”のせいかもしれ
ない。でも総理にとって”ボディ・ブロー”になったのは間違いない。

前から気になっているのは、鳩山総理の”言葉力”だ。この日も政治資金提供について「母
親からの無心は”天地神明に誓って”ない」と言い「国民は正しい”国造り”のために(税金)
を払って欲しい」と頭を下げた。”生前贈与”の疑いをもたれた総理の言葉としては”白々しい”
(谷垣総裁)。

鳩山総理の言葉は語彙が少ないせいか、この種の空虚のものが多い。”しっかりと””正々
堂々””一丸となって””歯をくいしばって””身を粉にして””身体をはって”などなど。”八紘一
宇””一億火の玉”の歴史を多少体験している僕には、総理の言葉は”金太郎飴”的で”白々
しく”聞こえる。

麻生元総理は漢字力が弱いと、国会で民主党の石井一選挙対策委員長が、パネルを持ち
こんでクイズまで出して参院の予算委員会で総理を”追及”していた場面を僕は覚えている。
決して好ましいとは思わないが、今の野党自民党に欠けているのは、良い意味での政権奪
取への意気込みだ。”平成の脱税王”(与謝野馨・元財務相)のような発言もあってよい。

相手は灰汁(悪?)の強い幹事長、国会対策委員長、選対委員長である。谷垣総裁頑張って。

      勇敢な青年とJRの安全対策

2010-02-17 06:16:52 | Weblog
佐藤弘樹さんという24歳の青年がJR中央線高円寺ホームから線路に転落した女性
(20)をとっさの機転と冷静な行動で救った。最近になく感動した話だ。この勇敢な青年
に文句なく大きな拍手を送りたい。果たして、その場に僕がいても同じ行動がとれたか
どうかわからない。

この事件で想い出すのは、2001年、同じ首都圏のJR新大久保駅で起きた転落事故だ。
この時は、不幸にも助けようとした韓国人留学生と日本人カメラマンも事故に巻き込ま
れて犠牲になった。この事故の教訓としてJRはプラットホームに列車非常停止ボタンと
ホーム下に避難壕の空間を設けなどした。

この避難壕が今回、佐藤さんの生命を救ったわけだ。しかし、非常停止ボタンは現場に
居合わせて乗客にはとっさに何処にあるのか判らなかったそうだ。結果的には機能しな
かったみたいである。一般乗客にとっては、非常停止ボタンの場所など注意している訳
ではない。

JR中央線は首都圏では人身事故の多いことで知られている。沿線に住む住民は年に何
回かは事故で電車が停まり迷惑をしている。原因については色々いわれているが、やは
り乗客の過密からきている。これに対して駅員の数が少なすぎる。乗客の安全を考えれ
ば非常勤の警備員でもよい。もっとホームに配置すべきである。

首都圏を走る山手線で”非人間的”と悪評だった6扉のラッシュ時座席を収納する形式の
車両がいつでも座席が使えるようになった。19年前、混雑緩和を目的に導入された車両だ
が、人間を荷物扱いするとして評判が悪かった。JRが乗客の安全を軽視しているとは思わ
ないが、いっそうの安全対策を願いたい。

      拉致被害者を返して下ださい 金正一さん

2010-02-16 07:26:35 | Weblog
金正一(キムジョンイル)総書記、68歳の誕生日おめでとう。たまたま僕も今日が
誕生日なので、貴方の誕生日を覚えているのです。本来ならば同じアジアの国
の指導者の誕生日です。心から祝福を送りたいのですが、同胞17人が貴国に拉致
されたままでは、その気にもなりません。貴方も高齢で余命も限られています。
人間としての心があるならば、一刻も早く被害者を返してください。

拉致被害者の一人、横田めぐみさんは1977年11月、貴方の命令で貴国に拉致さ
れましたが、当時まだ15歳、中学3年生の少女だったのです。ちょうど僕らの次女
も同じ年齢です。拉致されてから、すでに32年、次女の息子、つまり僕らの孫も4月
には大學に入ります。長い歳月の流れを実感できます。めぐみさんのご両親の気持
ちがよくわかります。

偶然なのですが、わが政権与党の幹事長、小沢一郎さんも、中井拉致問題担当相
も貴方と同じ1942年生まれです。二人とも拉致問題解決には熱意をもっています。
とくに、小沢幹事長は、真偽のほどは判りませんが、おカネでの解決しかないと言っ
ているそうです(産経新聞)。僕はもちろん、この提案には反対ですが、気高いむくげ
の花が国花の貴国ですから、多分これには反対でしょう。

鳩山総理は"身体を張って”拉致問題を解決したいと被害者家族に約束しています。
小沢、中井両氏とは同じ時代を生きてきた金正一総書記、どうでしょう。問題解決の
ため二人と会ってみては如何がでしょうか。


        リオの立ち小便 東京の車内喰い

2010-02-15 06:34:39 | Weblog
リオのカーニバルを前に現地の公衆秩序局が立ち小便の一斉取締りを行ない62人を
現行犯で逮捕したそうだ。戦後の日本で良くなった風習の一つは都会での男の立ち小
便姿が減ったことだ。戦前、子ども心に覚えているが、都会での立ち小便は日常的。
一方、これに対する警察の取締りも厳しかった。

亡くなった母親が生前よく笑話にしていたが、まだ僕が子どもだった頃、川崎大師へお
参りに行き境内の商店街を少し入った路地で僕に小便させ、お巡りさんにお目玉を食ら
ったとのことだ。戦前のお巡りさんは、恐い存在で、子どもが悪いことをすると、よくお巡
りさんを呼んでくるぞと叱られたものだ。

戦前に比べて悪くなった公衆道徳は公共の電車や駅構内での立ち喰いだ。昔は屋外で
立ち喰いするのは行儀に反していた。だから、僕らの世代からみると、電車の中でカン
ジュースをラッパ飲みにしたり、大口あけてスナック菓子を食べている若者の姿は見るに耐
えない。小ブログで何回も紹介したが、シンガポールでは、車内での飲食は禁じられてお
り違反すれば高額な罰金である。

わが国でも最近、東京など大都会での繁華街では、タバコのポイ捨てが禁止され「路上喫
煙禁止」区域が増え街の美観に一役買っている。何事も法でがんじがらめにされるのは賛
成ではないが、近頃の日本人はどうも公衆道徳に欠けている。残念だが、昔のように公衆
道徳を守らない人間には法で取り締まったらどうだろうか。さし当たって僕は都会の近距離
通勤通学圏内での車内での飲み食い禁止を望みたい。



          78円のバレンタイン・チョコ

2010-02-14 11:56:24 | Weblog
今日はバレンタイン。老妻に78円の義理チョコを贈った。老妻は元気で食事制限
など何もないが、チョコの包装紙には、「使用しているアレルギー物質」「原材料
の成分」「栄養成分表示」がこまごまと表示されている。難しい時代だ。
僕ら後期高齢者は子どもの時、お菓子は配給でチョコなど食べたことがなかった。
バレンタインの名前など知らなかった。気分だけ参加のバレンタインだ。

        頑張れ国母君 金メダルを!

2010-02-14 07:13:05 | Weblog
バンクーバー五輪スノーボートの国母和宏選手が服装がだらしがないと選手村への入村式
出席を自粛させられ、競技の参加さえあやぶまれていたが、橋本聖子団長の一言でめでた
く金メダルへ獲得への道は拓かれた。テレビで国母選手の服装をみた。たしかに五輪選手
としては、どうかなと僕も思った。選手の制服のネクタイを緩め、だらりとシャツを出してズボン
をだらしなくだぶつかせていた。”腰バン”という若者の流行だという。

あまり注意していなかったが"腰バン”の若者は、渋谷の街にはあふれているし、中学2年の
孫まで時々真似た格好をしている。いつの時代も若者には流行があるものだ。あの戦争中で
さえ、おしゃれ好きの仲間の中には,脚に巻いたゲートルにアクセントをつけ、ズボンをだらり
とはいていた。今のプロ野球選手がストッキングを出来るだけみせないようにしているあのスタ
イルだ。だけども彼らも軍の査閲や国の公式式典に出る時にはきちんとした服装であった。

国母君はどうも、世界では当たり前のことになっている、このあたりのメリハリが理解できなかっ
たのではないのだろうか。国旗掲揚、国歌斉唱時には起立すること。国の元首と挨拶する際に
は帽子を脱ぐことー。国母君がこういった当たり前のエチケットを知らなかったのは不幸であった。

国母君はテレビでみると、スポーツマンの好青年である。自分では格好よいと思っているスタイ
ルも僕からみれば不恰好だ。それよりも、せっかく五輪に参加できたのだ。競技では全力を出し
金メダルを目指してもらいたい。

         総理の謝罪と言い訳はもう結構

2010-02-13 07:05:53 | Weblog
昨日も国会の"政治とカネ”の集中審議をテレビでみたが、鳩山総理の謝罪と言い訳だけ
で見苦しい。自民党の与謝野馨議員(元財務相)から"平成の脱税王”ときめつけられて
平常心を失い、まわりから"冷静に冷静に”となだめられる始末。これでは、口癖に"身を
粉にして”とはいっているが、とても日本の政治をまかす訳にはいかない。

"政治とカネ”の疑惑は、鳩山総理だけではない。小沢幹事長も自分は不起訴になったから
といって、元秘書の現役議員まで逮捕されている。疑惑が晴れたのではない。党にとっては
異常事態なのだが、民主党には反省も自浄能力も感じられない。有力閣僚の一人、仙石由
人国家戦略担当相は、自民党の棚橋泰文議員の質問の答弁の中で”(一連の疑惑)はマス
コミのフレーム・アップだ”と言い切っていた。フレーム・アップには「陰謀」「でっちあげ」「八百
長」という意味がある。こういった認識である。

マスコミの報道がフレーム・アップならば、一刻も早く野党の要求に応じて鳩山総理や小沢幹
事長ら関係者の証人としての国会喚問に応ずべきである。一陣笠議員が党籍を外れたからと
いって"政治とカネ”の問題が解決したわけではない。

内外に難問が山積しているというのに、来年度の予算案審議にも入れない。一国の総理が国
会でいつも頭を下げているのでは、国家の威厳にもかかわる。総理は"不正な私財を蓄えては
いない”といっているが、世間の常識からいえば「平成の脱税王」なのだ。ここまでくれば辞任す
る以外には道はないのではないか。


       「マック・イタリー」 「マック・ジャパン」

2010-02-12 06:57:46 | Weblog
ファストフードにはほとんど無縁の年寄りだが、先日CNNテレビを見ていたら、イタ
リアでは「マック・イタリー」という新商品をめぐって国中が大騒ぎなのを知った。イ
タリアといえば”ピザ”や”スパゲッティ”など"イタ食”の本場、なにも「マック」でも
ないのに思うのだが、政府までその宣伝に一役買って物議をかもしている。

「マック・イタリー」の宣伝のためローマのスペイン広場にエプロン姿で登場したザイ
ア農相によれば「マック・イタリー」は、国内産の生ハム、チーズの消費拡大につな
がるとのこと。これに対してスロー・フードの団体は「マック」は伝統的なイタリア食
文化の破壊だと反対している。食文化の違いだろう。日本では、あまりこんな反対
の声はきいたことがない。

日本では日本マグドナルド社が業績好調で、フアストフード業界で"1人勝ち”だそう
だが、その会社が国内の店舗のうち売上げ効率の悪い小店舗の閉鎖やリロケーシ
ョンに大々的に乗り出すそうだ。昔から"勝って兜の緒をしめよ”という諺があるが、一
方では、乗っているときは"乗っていけ乗っていけ”という戦術もある。日本では最近
は”ビッグ・アメリカン”といった大型のマックが売れ筋だという。

世界に君臨していた「トヨタ」がリコール問題で大揺れしている。攻めの戦略がよいの
か、騒ぎが鎮まるまで、じっとこらえるのがよいのか商売とは難しいものだ。


      八方美人はダメ 勝海舟の外交論

2010-02-11 06:50:33 | Weblog
「チェンジ」「改革」の時流に乗って”幕末から明治”への歴史本が静かなブームだそ
うだ。僕も先日入院中の病床で勝海舟の「氷川清話」を読んでみた。勝海舟は徳川
の幕臣で、江戸城の無血明け渡しのさい、官軍の西郷隆盛と交渉した人物。明治政
府になってからも新政府に対してアドバイス、影の実力者として影響力があったとされ
ている。

海舟は、この本の中で薩長中心の新政府に対して辛辣な批評をしているが、中でも
彼の外交論は面白かった。海舟によれば、外交の秘訣は”明鏡止水”の気持ちで誠
心誠意で事にあたること。”八方美人”外交はダメだという。海舟は機に臨み、変に応
じても”明鏡止水”の心境に立ち、他人の意見を聞くべきではない。聞けばただただ迷
いの種になるばかりだ。甲の人の説を聞くと、それも暴(あら)いように思われ、乙の人
の説を聞くと、それも暴(あら)いようになり、自分の定見がなくなってしまう。八方美人
主義ではその主義の奏功にばかり気を取られて国家のために大事業はできないという。

引用が長くなってしまったが、僕は鳩山由起夫総理の普天間基地移転をめぐる迷走を
思い出してしまった。総理は5月までには結論を出すそうだが、そもそも、この問題につ
いて総理は最初から自分が決断すると言っていた。八方美人では問題を複雑にするだ
けだ。明鏡止水の心境に立ち返り誠心誠意、外交に当たるべきである。

       バンクーバーの遠い戦争の記憶

2010-02-10 06:22:14 | Weblog
僕の遠い遠い記憶の中に第21回冬季五輪の開催地「バンクーバー」がある。それも先
の戦争と関係がある気がした。そこで調べてみたら、やはりそうだった。1942年(昭和1
7年)6月28日、日本の潜水艦「伊26」号が、バンクーバー沖のエスデヴン島のカナダ軍
無線羅針局を14センチ砲で砲撃した、という記録が残っていた。

当時まだ僕は小学校6年生である。なぜこんな小さな事件を記憶していたのか不思議だ
が、多分、緒戦の頃、戦意昂揚のためか米本土へのシンボリカルな艦砲射撃が行われ
ており、新聞ラジオで大きく報道されていた。バンクーバーもその一つで、名前のおかしさ
もあって僕の記憶の片隅にあったのかもしれない。

今想い出すと、昭和17年という年は緒戦の勝利で日本中が沸き立っていた。僕ら子どもは
大本営発表の勝利の軍艦マーチに喜び、世界地図の上の南方の占領地を赤く塗り変えた
りしていたものだ。しかし、一方では、早くも4月には、太平洋上から飛来したドーリットル率
いる爆撃機が東京、名古屋、神戸などを初空襲し、被害も出ていた。

同じ4月には、米本土とははるか離れたインド洋上から、日本の艦載機動部隊がセイロン
(スリランカ)の首都、コロンボを空襲している。大変な戦線拡大であった。これでは長期作
戦では勝目がなかった。この年の後半には早くも敗戦への急坂を降り始めてきた。

平和な時代が嬉しい。ほとんどの日本人が68年前、日本の潜水艦がバンクーバーへ砲弾
を撃ち込んだことなど知らない。