「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       行詰まる民主党の社会保障と税一本化改革

2011-12-18 07:29:51 | Weblog
80歳を越えた"末期高齢者”に近い僕だから、何も気遣う必要はないのだが、民主党の"社会保障と税の一本化改革案”をみると、生ぬるく早晩、わが国の社会保障制度は行き詰まるのは必至だ。国民に負担増や給付減を求める改革案は軒並み見送られ、最大の財源としている消費増税だって党内に反対意見が強く、実現できるかどうか疑わしい。

野田総理は不退転で改革に臨むといっているが、民主党内には消費増税に対する反対意見が強く、増税反対の意見書に百名以上の議員がすでに署名しているという。反対派は例のように例の如く「小沢一郎」や「鳩山由紀夫」に近い議員だと新聞は報道している。民主党が政権について以来、まったく変らない構図である。乱暴にいうと、この人たちは、まるで"おカネ”は打出の小槌を振ればいくらでも出てくるとでも思っているのであろうか。

民主党がすでにまとめた社会保障案をみて驚いた。"末期高齢者"の僕がみても当然だと思っていた70歳ー74歳の医療費窓口負担の2割負担が見送られた。75歳以上の後期高齢者についても現状の1割負担では、現在の医療費全体からみれば、不公平感があるとさえ僕は思っている。僅かばかりの収入があるため僕は3割負担をしているが、1割負担は社会の現状からみて割安感がある。だから年寄りの中には、安いからといって要らない薬まで医者から貰い、医者もこれに応じている。

消費税を口にすると、次の選挙では負けるというジンクスがあるらしい。どうも民主党内の反対派はそれを恐れているように思えてならない。僕のような素人がみても、ドラスティックな社会保障改革をしなければ、医療制度は破綻をきたし、年金制度も行き詰まることは目に見えている。目の前の自分の票ではなくて国家百年の計にたった改革をすべきだと"末期高齢者”は思うのだが。


            世田谷ボロ市この半世紀

2011-12-17 07:44:02 | Weblog
昨日、老妻と連れ立って何年かぶりで世田谷ボロ市に出かけた。わが家から距離にすればせいぜい一里(3・75㌔)ちょっとの所だが、なかなか行く機会がない。半世紀以上も前、娘がまだよちよち歩きの頃、歩いてボロ市にでかけ、赤い色の古靴を買ってきて、まだ元気だった母親からえらく叱られた。初孫に他人様の使った"お古”などはかせるものではないというのだ。当時のボロ市は代官屋敷前の通りが中心で臼や杵といった正月用品や農機具などに混じって古着や骨董品を売る店が多かった。

話には聞いていたが、最近のボロ市は規模が大きくなり代官屋敷の前の通りだけではなくなった。そしてものすごい人出である。観光バスで訪れる人もあるという。あまりの人出で通りは渋滞を整理するため一方通行である。買物好きの老妻は、一軒一軒冷やかすように歩いているが、僕には欲しくなるような品はない。やっと500円出して中国製の革バンドを買った。昔感じた"土”の匂いはない。代わって焼鳥とかエスニック料理の匂いが漂っている。売っているものもアジアングッズが多い。

代官通りから入ったところにある土地の神社の境内では名物になった"代官餅”に長蛇の列である。半世紀前には、細々と地元の人が餅つをして売っていた記憶だが、今は買った"代官餅”を神社の拝殿の石段に腰掛けて食べている若者もいた。400年もの伝統を誇る東京都の無形民族文化財のボロ市だが、僅かこの半世紀ですっかり様変わりした。母親に叱られた赤い色の古靴などどこにも売っていない。売っていても誰も買う人などいないだろう。

         "慰安婦"問題、うやむやにするな

2011-12-16 08:26:01 | Weblog
自民党の「領土に関する特別委員長の石破茂(前政調会長)が藤村官房長官を訪ね、韓国の"従軍慰安婦"像を撤去するよう18日からの日韓首脳会談で野田総理が李明博大統領に申しいれるべきだと伝えた。日韓両国は未来志向で友好親善関係につとめている。それなのに、このソウルの日本大使館前に建てた"従軍慰安婦”像は、まったくこれにもとるものである。絶対に許してはならない。

日本の若い世代の中には、この問題の本質が理解できていない者が多い。先日もテレビ朝日系の番組の中で、コメンテーターの大谷昭和宏氏が個人的な体験を持ち出し、韓国の慰安婦にいたく同情していた。誰だって戦前あった売春制度を肯定するものはいないし、そこで働いていた女性には同情する。しかし、日本の大使館の前に"従軍慰安婦"像を建てた問題はまったく別なものなのだ。

2003年、民主党の岡崎トミ子議員(元国家公安委員長)が訪韓中、反日デモに参加してこぶしを突き上げ在韓大使館に向かって抗議した話は有名だが、つい数か月前も社民党の服部良一議員が、やはり岡崎氏が参加した同じデモに参加した。そして日本の記者に対して”こんな野蛮なことをしていて国家が公式に謝罪しないのは恥ずかしい”と言ったそうである。大谷、岡崎、服部三氏とも戦争を知らない世代である。

いわゆる"従軍慰安婦"問題は、すでに1965年の日韓条約で解決済みなのだが、虚偽の情報を鵜呑みにした、いわゆる「河野談話」で蒸し返され、さらにこれに従って出来た「アジアのための女性基金」で増長された。外交儀礼に反して"従軍慰安婦"像を建てた連中とその支持者たちは、日本が提案した「女性基金」まで受け取りを拒否している。テレビの解説者や政治家はもう少し過去の歴史とデモを行っているグループがどんな連中なのかその正体を勉強して貰いたい。




         なぜ"慰安婦”の"鎖”を許すのか?

2011-12-15 07:11:55 | Weblog
"従軍慰安婦”に対する謝罪と補償を求めて毎週水曜日在ソウル日本大使館前で反日デモを行っている連中が昨日デモ開始1千回を記念して大使館前の歩道に慰安婦をモデルとした少女像の除幕式を行った。まったく外交儀礼に反した無礼な話である。日本政府は外交ルートを通じて少女像の撤去を求めるといっているが、口先だけで本当にやる気があるのか疑わしい。

この千回記念に呼応して東京の外務省を取り囲むように支持者たちが"人間の鎖”の暴挙に出た。わが家で読んでいる新聞は一行もこのことを伝えていないが、テレビでこれを見て僕は治安当局は何をやっているのかー怒りを感じた。ネットでは、数日前から"人間の鎖"の参加者を呼びかけていた。当然、治安当局もこれを知っていたはずだ。にもかかわらず、これを許したのは、かって"水曜デモ”に参加した岡崎トミ子元国家公安委員長の一声があったのであろうか。

玄葉外務大臣も言っているように"従軍慰安婦"問題は、1965年の日韓国家協定で韓国側が一切の請求権を放棄したことで解決している。それが今なお尾を引いているのは、93年のいわゆる「河野談話」が原因している。河野洋平官房長官(当時)がありもしない日本軍による強制連行を認める発言したからだ。韓国側は自国の最高裁の判決に従って韓国政府が日本に謝罪と補償を求めないのは違法としているが、これは韓国内の法律である。

どうして日本の外交はこうも"事なかれ主義”になってしまったのであろうか。日本の領土内、しかも外務省前での反日デモ計画があるのが事前に判っているのならば、何故中止させなかったのか。テレビの画面を見ていると、警察は逆に"人間の鎖”に反対する側を取り締まっている。28日に韓国の李明博大統領が来日するので、これに遠慮したのであろう。とても慰安婦像の撤去を本当に求めているとは思えない。

      "マニュアル人間”の作った笑えぬ年賀状

2011-12-14 07:47:55 | Weblog
"笑うに笑えぬ””怒るに怒れぬ"話とはこのことかもしれない。昨日頼んでいた年賀状が出来たというので受け取りに近くの大手スーパーに出かけ、出来てきた写真入りの賀状をみてびっくり仰天した。今年11の月インドネシア旅行で現地の元義勇軍の兵士と一緒に撮ったツーショットの写真なのに”私ども今年お陰さまで結婚しました”と新婚の挨拶状なのだ。

どうしてこんなあやまちがが起こるのだろうかー。先日頼みに行った際、応対の女子店員の対応が今ひとつなので、不安に感じてわざわざ”挨拶文は新年用に変えてくれ”と念を押したのだったが。それでも、こんな間違いが起こるのは多分、製作がマニュアルに従って自動的に行われる仕組みになっているのだろう。

年賀状印刷のサンプル本には記号が記載されている。恐らくスーパーの店員は、その記号を印刷会社に伝え、印刷屋さんはそのままマニュアル通りに印刷してしまったのであろう。写真を点検してみれば、男の老人二人の写真であり、しかも今は年賀状印刷の真っ最中である。一目でおかしいと気がつくはづである。

外食店のレジのマニュアル通りの応対の日本語がおかしいと話題になっているが、そんなのはまだ好い。年寄りの僕らが一番困るのはPCや電気製品が故障して電話をかけた時のあらかじめ録音されているマニュアルによ応対である。特別な専門用が飛び出し、解からないので聞こうとしても一方的な録音である。マニュアルは事故を起こさないための製作会社が決めたものである。それを利用者にまで押し付けるのはサービスとはいえない。民主党のマニフェストとマニュアル、語源が同じで二つとも老人には”まがいもの”の代表みたいに映る。

            円高の恩恵は感じない

2011-12-13 08:04:46 | Weblog
消費者庁が10月末インターネットを通じて円高についてアンケート調査をしたところ60・8%の人が恩恵を受けていない、と回答、おおいにその恩恵を受けていると答えたのは僅か7・1%に過ぎなかった。"歴史的”な円高と言うが、何時から始まったのであろうか。調べてみると、1ドルの対円相場が2桁になったのは2008年3月からで、それ以前はむしろ円安傾向で、2007年7月には124円であった。今より50円近くも円安、それなのに何故円高の恩恵を感じないのだろうか。

手近なところでバナナである。バナナは100%輸入品と思うが、1ドルが124円だった4年前も70円台の今もスーパーでは特売日を除けばだいたい一房100円である。外国からの牛肉だってそうである。極端に安くなったという実感はない。ガソリンだってそうである。原油価格との関係もあるにしてももっと安くなってもいいはずだ。

僅かに円高の恩恵がありそうなのは海外旅行のようだ。毎日の新聞には連日のように格安旅行の広告が載っている。”とっておき"とか"格安”とかあらゆる形容詞を使って宣伝しているが、確かに安い。韓国や台湾、中国などの近間は、ひょっとすると国内旅行より安い場合もある。先月、僕は個人旅行で10日間、インドネシアへ行ってきたが、正直言って円高の恩恵に浴したという印象はない。何故なのだろうか。観光地バリ島行きの直行便は連日満杯だといのにだ。

どうも円高の恩恵がないと感じるているのは、僕らのような老人や"おカネ”のない連中だけなのかもしれない。儲けるのが上手な人たちは、確実に円高の恩恵に与かっているのかもしれない。

         人類のの破滅、先送りだけのCOP会議

2011-12-12 07:39:56 | Weblog
南アフリカのダーバンで開催中のCOP17(国連気象変動枠組み条約第17回締約国会議)は、会議を一日延長したが、成果がなく結局妥協の合意で閉幕した。すべて先送りである。わが国が強く反対していた京都議定書の延長も、条件つきではあるが認められなかった。加盟国それぞれのエゴがむき出しで、まったく先がみえない。

京都議定書には米中二大CO2排出国が入っていないし、目標数字も明示されていない。ダーバンの合意書では、来年のドーハ(カタール)会議までに新しい枠組みを決定するとしているが、その見通しがあるのであろうか。京都議定書は来年12月でその期限はきれる。

一方、民主党政権は2009年の総選挙の際のマニフェストで"2020年までに1990年比25%制限”を公約し、当時の鳩山由紀夫総理はこれを国連の会議で公言している。京都議定書が新しい国際枠組みなしで延長になった場合、わが国はどうななるのか。今は当時と違って超円高であり、大震災後による電力不足でもある。

COP会議はこのところ年末の年中行事になっているが、昨年のメキシコ会議も先送りばかりで成果がなかった。今年のダーバン会議も結局はまとまらず、開催国の女性代表の顔をたてたような形だ。

CO2排出による気候変動は待ったなしで進んでいる。米中二大排出国が、自分たちのエゴを主張するならば、国際協調は得られない。すでに地球上には地球変動で水没しかけている国も出てきている。このままでは、やがて人類は破滅する。