「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            異常気象? 6月の台風と真夏日 

2012-06-20 05:55:34 | Weblog
台風4号は昨夜日本列島を横断、温帯性気圧に変わった。今朝の首都圏は台風一過の青空である。しかし、気象庁の発表だと早くも台風5号が日本列島に接近している。6月の台風としては2004年(平成16年)以来だという。馬齢を重ねると、一年一年の記憶が薄れてくる。2004年という年はどんな年だったかー。日記を持ち出してみたら鮮明に想い出されてきた。

この年の僕の日記の前半は見るも憐れである。白内障が悪化して字がきちんと枠内に収まらず踊っている。”ああ、あの年だったか”-と、いろいろなことが想い出されてきた。異常気象の年であった。6月12日に台風4号が日本列島に上陸、11月までの半月間に合計10個もの台風が日本を襲っている。台風の日本列島への上陸率は平均2.6回だそうだが、この年は三回に一回、上陸して各地に被害をもたらしている。

猛暑の年でもあった。7月終わりから8月にかけ東京では連続40日の熱帯日が続き、39・5℃の暑さも記録している。異常気象と関係があるかどうかわからないが9月には浅間山が噴火。10月にはM6.8、震度7の中越地震が発生している。

6月に2回も台風が日本に上陸するのも8年ぶりである。この頻度で来襲するとは限らないが、昨年の東日本大震災で僕らはまったく想定外な自然災害を体験した。首都圏は台風が去った後、気温がうなぎ上りに上って早くも真夏日。気象庁は熱中症注意報を出した。6月の気温としては異常である。政局が不透明なのもこの異常気象に関係があるのだろうかー。

           ”核家族”時代の「恍惚の人」対策

2012-06-19 05:52:32 | Weblog
高齢者の認知症が増加の傾向にあり、国の推計だと2030年には235万人と、10人に1人の高齢者がが認知症になるという。このため、厚労省では対策の一環として、認知症の老人を早期に発見して在宅ケアを行い、長期入院を避ける案を検討中だという。認知症は早く見つければ抑制できると、聞いているが、問題は在宅ケアだ。僕の周囲をみると、ほとんどの老人が一人住まいか、夫婦だけの”核家族”である。なにか現実を無視した案のように思われる。

認知症老人の介護問題を最初に世に問いかけた有吉佐和子の「恍惚の人」が出版されたのは1972年、あれからすでに40年の歳月が流れたが、改めてこの本を読んでみると、日本の社会があの時代とは変わってきたのに驚いた。「恍惚の人」の時代には3世代が一軒の家で生活していた。主人公の嫁は認知症の舅の面倒を見ながら働いていた。家の離れに住む「恍惚の人」の面倒を見に、近所の老女や若いカップルも登場してくる。

ところが今はどうだろうか。大部分の家庭は”核家族”で、都会では3世代が一軒の家で住む家庭などほとんどない。「恍惚の人」では嫁は一生懸命看護に当たっているが、亭主はいっこうに無頓着で手を貸そうとはしない。これも今の時代ではありえない。現在は認知症の老人がいるかどうかでさえ、近所付き合いがないから判らない。

厚労省案は看護師や保健師などの専門チームを作り、高齢者宅を訪問して患者の早期発見をし、在宅ケアを行うという。しかし”核家族”の下ではでは、誰がどうしてケアをするのか。「恍惚の人」の時代ではそれも可能だったかもしれないが。どうも厚労省案は長期入院防止にによって老人医療費を抑制することに狙いがあるみたいだ。

               ステテコのプレゼント

2012-06-18 07:58:04 | Weblog
父の日にステテコについてブログで書いたら、老妻と娘夫婦から早速プレゼントされた。写真のように期せずしてブルーの縦縞模様。これなら80歳をすぎた後期高齢者でもなんの抵抗もなくはける。ブログの効用である。有難うございました。

           ギリシャ緊縮財政支持派は勝利したが

2012-06-18 06:03:00 | Weblog
緊縮財政路線か反対路線かで注目されていたギリシャの再選挙は、緊縮路線派の勝利で終わり、ひとまずギリシャのEUからの離脱の危機は去った。勝利した新民主議党の党首は”これはギリシャだけでなく、ヨーロッパ全体の勝利だ”と喜んでいるが果たしてそうだろうか。旧与党で新しく組閣にはいるが、ギリシャの財政危機が解決されたわけではない。

先日ある会合でヨーロッパ全体の信用不安についての話を聞いたが、僕が驚いたのは、ギリシャの経済規模が埼玉県のGDP(国内総生産)に近く3,575億㌦程度だということだ。ギリシャというと、オリンピック発祥の地であり古代文明の連想から大国だと思うが、ユーロ―圏全体の経済規模では2.5%に過ぎないのだ。人口も1千万ちょっとであって埼玉県全体と変わりがないのだ。

EUにとって心配なのはスペインである。スペインはユーロ圏第4位の経済規模であり、破たんすればギリシャの比ではない。専門家の話では、伝えられる経済不安は不動産バブルがはじけた後遺症からきているのだそうだ。スペイン全土で入居者のいない住宅が全体の20%近くあり、一方で住宅ローンを払えず住宅をを追われた市民が8万人もいるという。

ギリシャのEUからの離脱はなくなったっが、ユーロ圏の経済不安が払底されたわけではない。ギリシャ、スペイン以外にもポルトガル、アイルランド、キプロスなどの予備軍がある。欧州の経済不安はここ当分続きそうだ。これによる円高、ユーロ安の日本経済に与える影響は大きい。グローバルな展望にたった経済政策が今こそ必要な時である。

               父の日 ステテコ考

2012-06-17 05:51:42 | Weblog
UNIQLOの片棒を担ぐようだが、今日「父の日」のプレゼントにSTETECO(ステテコ)が売れていると聞いた。新聞の全面広告を引用させてもらうと”快適なドライ機能80色柄”があって特別価格¥790だという。長年白色無地のステテコになれてきた僕でも、ここ数年柄物を履くようになってきている。やはり、ちょっとした下着革命だ。しかし、いくら80色柄があるといっても、後期高齢者の僕は真っ赤な柄のSTETECOには抵抗がある。

ステテコは明治の初期、吉原の太鼓持ちが歌ったお座敷歌が語源だと言われているが、それから転意して太鼓持ちが着物の下から見え隠れしていた下着のことを指すようになった、と本に書いてあった。僕はお座敷歌は聞いたことはないが、このお座敷歌から派生したと思われる”どんぶり鉢浮いた浮いたステテコシャンシャン”という歌を聞いたことがある。戦前昭和の頃、旧制高校の寮歌が流行したが、たしか”ステテコシャンシャン”はその一つだったと記憶する。

海外旅行が自由化されて間もなく、政治家先生がローマの遺跡を見て”イタリアはまだ戦争から復旧でないのか”というのが新聞種になった。その時代から少し後だが、ノーキョウ(農協)さんの海外団体旅行が大流行したが、ノーキョウさんがステテコのままホテルのロビーをウロウロするというのでヒンシュクを買ったことがあった。新聞広告で見る限り”80色柄”のSTETECOはカラフルで下着には見えない。海辺のリゾートでは、そのままでもおかしくないようにもみえる。でもどうなのであろうか。識者の意見を伺いたい。

             98歳大先輩からの「定期便」

2012-06-16 05:33:08 | Weblog
この小ブログにも何度か登場願った大正3年生まれ98歳の大先輩から昨日「定期便」が届いた。毎月2回割合で大先輩から大きな封筒をいただく。中には大先輩の近況雑感、新聞の切り抜き、それに南方の孤島で5年間生活した当時の想い出を綴ったコピーなどが入っている。齢を取ると、人間は筆力が弱くなるものだが、大先輩の字は大きくて太い。

大先輩は昭和17年2月シンガポールに敵前上陸した第五師団の第二給水部隊の兵士だが、軍の移動に伴って戦中の大半はニューギニア諸島(カイ諸島)の孤島に近いトアールという集落で生活した。戦争の激化によって部隊への食糧補給は絶たれ、自給自活を強いられた。しかし、珊瑚礁の島では農産物は出来ず、ヤシの実を主食に、名も知らぬ海産物を食べた。タンパク源は島に生息するコウモリやトカゲ、ネズミなど。それに手製の釣り糸と釣り針でやっと釣り上げた熱帯魚であった。

こんな極限ともいえる生活なのに、昭和19年のある日、連隊本部から娯楽施設のない兵隊たちのために「慰安所」か「酒保」(日用品や食料品を売る店)のどちらかを作るが、どちらがよいという問い合わせがあった。結果は「慰安所」を望んだのは一人もいなく全員「酒保」と答えたため、連隊本部から饅頭の配給があり、大喜びしたという。

大先輩はまだ孤島でよかった。ニューギニア本島では昭和20年、連合軍の再上陸によって20万人日本軍兵士のうち無事日本に帰還出来たのは1割の2万人に過ぎない。亡くなった方々の大半は、敵との戦闘によるものではなく、飢餓と熱帯性感染症による病気によるものであった。いまだにニューギニアには収集されない遺骨が残されたままである。大先輩は手紙の終わりに”老骨の長寿を天命として楽しむよう心がけしています”とあった。

           公道で遊ぶ認証保育園の園児たち

2012-06-15 05:31:41 | Weblog
梅雨の晴れ間をぬって昨日自由が丘の無人スタンドへ夏野菜のはしりの露地ものキューリを買いに出かけた。スタンドへ行く途中の吞川の暗渠の桜並木の道は、いつの間にか鬱蒼とした緑に変わっていた。そして、いつものようにその下で保育園の幼児たちが先生に引率されて元気よく遊んでいた。(写真)

この千メートル足らずの区道は近くの認証保育園児の毎日の運動場であり遊び場になっている。昨日も数えてみたら4組の別の保育園の園児たちが色の変わった帽子をかぶって遊んでいた。認証保育園とは国の認可した保育園とは別に、東京都が敷地難などから国の基準を満たすことができない保育園に対して一定の特別の基準を設け”認証”したものである。主に鉄道の沿線の駅近くにあって、近くに遊べる公園や公道があることが基準の一つになっている。

社会保障と消費増税の一本化を巡る与野党間審議は大詰めにきたが、民主党が主張していた「総合子ども園」構想は野党の反対にあって従来からの「認定子ども園」制度に押し切られてしまったようだ。民主党の「総合子ども園」構想も「認定子ども園」制度も保育所と幼稚園とを一体化しようというもので変わりがない。しかし、「認定子ども園」は東京都では少ない。僕の住む目黒区には一つもない。が、相変わらず都会では、働く母親が増えている。だから、現実には「認定子ども園」は待機児童の解決には役だっておらず、認証保育園が繁盛しているのだ。

認証保育園の多くは狭い敷地の中にあり、幼児たちが遊べるスペースなどない。天気の日には、こうして先生たちに引率されて公道や公園で遊べるが、雨の日は大変であろう。「総合子ども園」が構想どおりならば、園児たちが遊べる園庭も確保できることになろう。野党が反対する理由はよく判らないが、多分、民主党が例によって財源を考えずに考えた案なのだろう。しかし、子ども本位に考えれば公園や公道を園庭がわりに代用しているのは、福祉国家としてどんなものだろうか。

        農水の対中不正輸出で野田内閣は断末魔

2012-06-14 06:43:45 | Weblog
農水省を舞台にした在日中国大使館元一等書記官が絡む農産物対中不正輸出事業疑惑が連日、国会で取り上げられている。昨日の参院でも自民党の牧野たかお、西田昌司議員が鋭く追及、全容が判ってきたが、これがもし事実ならば、民主党政権最大の汚点(牧野議員)であり、野田内閣はこれだけで崩壊への断末魔だ。

自民党の平沢勝栄議員が先日の衆院予算委で述べていたが、この不正疑惑はまさに民主党体質そのものである。マニフェストで出来もしないものを出来るといって国民を騙した体質である。疑惑には鹿野前農水大臣と筒井副大臣が関与していて、その地位を利用した詐欺まがいの不正だ。震災で落ち込んだ中国への農産物輸出を促進しようというのがだが、実際には省内に実効が伴わない”輸出促進協議会”を立ち上げ、民間から10億円ものカネを集めていたという。

西田議員によれば、野田総理も昨年12月訪中のさい、この促進協議会が運営する北京の展示室を訪れている。結果的にはこの訪問がこのグループの宣伝塔役になってしまったのだが、答弁にたった野田総理は”知らぬ存ぜぬ”でまったく事の重大性を認識していない。農水省の答弁も今、この問題について調査チームが真相究明に当たっているというが、中国大使館一等書記菅に対して秘密文書が流失したかどうかの問題だけのようだ。

野田総理は国会でこの問題が取り上げら、問題化されるのを避けて大臣副大臣を更迭しているが、国会は二人を参考人によんで徹底的に真相を究明すべきである。社会保障と増税の一体改革どころではない。こんな閣僚がらみで国家的な詐欺行為をする内閣に政治を任すわけにはいかない。



              「年金の世代別損得表」

2012-06-13 05:49:21 | Weblog
昨日の衆院予算委員会の模様をテレビ中継で見ていたら「みんなの党」の柿沢未途議員(41)が「年金世代別損得表」のフリップを掲げて現役世代と高齢者の年金の損得を論じていた。確かに現役世代が将来貰える年金は、今僕ら老人が貰っている年金に比べると激減するようだが、そうかといって、僕らが何か悪いことをしているわけではない。答弁に立った岡田副総理は高齢者世代を弁護した発言をしていたが、口がすべってしまったのだろう。”ごそっと”年金を貰っている世代と言っていた。やはり、若い世代にとっては高齢者の年金は”ごそっと”のようにみえるのだろう。

たまたま一昨日、日本年金機構から今年度の「年金振込通知書」が届いた。僕ら80歳を越える老夫婦の厚生年金と国民年金を合わせれば、若い人の初任給よりは多い。毎日働きもせず、ゴロゴロしている僕らが汗水たらして働いている若い人の給料よりも多いのは申し訳ない気持ちはする。でも「年金振込書」の明細を見ると、ここ数年年金から「後期高齢者医療費」「介護保険料」「個人住民税」それに所得税まで差し引かれて、その額は年金支給額の3割を越えている。

超少子高齢化時代の到来で、現在の社会保障制度が破綻をきたしてきた。だからこそ、それをどうするかで与野党で連日協議をしている。消費税の増税も社会保障の財源である。まさか「みんなの党」は与野党協議の蚊帳の外にされた、腹いせなのだろうか。柿沢議員の議論をきいていると、まるで年寄りが高い年金を貰っているのは悪い、というように僕には聞こえた。年寄りに文句を言うよりも、若い人にもっと仕事を創出しするほうが先決ではないだろうか。柿沢議員の年齢の頃、僕ら安サラリーマンの年収は1,000㌦(36万円)にも満たなかったが、その中から文句をいいながらもきちんと年金は収めていた。