Callas O don fatale (Eboli) Don Carlo 1962
この演奏はハンブルグでのカラスのコンサートから。
曲はヴェルディ「ドン・カルロ」からエボリ公女のアリア<呪わしのわが美貌>である。
「ドン・カルロ」からは二人の対照的な女性が登場する。
ひとりは、フランスから政略結婚でスペインのフィリッポ2世と結婚させられたエリザベッタ、もともとフィリッポ2世の皇子、ドン・カルロのフィアンセだったが、皇子カルロは彼女を「母上」と呼びながらもあきらめきれない。
今はフィリッポ2世の王妃となったエリザベッタはカルロへの愛をふりきるかのように「フランドルへ行って民衆を救いなさい」と言い渡す悲運のヒロイン、ヴェルディの典型的なヒロインである。
もう一方は、スペイン宮廷の第一の美女であるエボリ公女、気性が激しく皇子カルロにあこがれているが、カルロは王妃エリザベッタをあきらめきれない、そこで王妃を陥れるのだが、やがて自分の罪深さを悔い、このアリアを歌って皇子を危機から救う決心をする。
本来はメッゾソプラノが歌うが、カラスが歌うと懺悔する女の弱さとまだ皇子カルロを思う強さが見事に歌われている。
このころのカラスはオナシスと浮名を流し、ゴシップが絶えないころであった。体重を減らしてスマートな美女になっているが、歌は素晴らしいとはいえ、かつての声の威力はない。
しかし、この見事な表現はやはりプリマの中のプリマドンナ、特筆すべきものである。
この演奏はハンブルグでのカラスのコンサートから。
曲はヴェルディ「ドン・カルロ」からエボリ公女のアリア<呪わしのわが美貌>である。
「ドン・カルロ」からは二人の対照的な女性が登場する。
ひとりは、フランスから政略結婚でスペインのフィリッポ2世と結婚させられたエリザベッタ、もともとフィリッポ2世の皇子、ドン・カルロのフィアンセだったが、皇子カルロは彼女を「母上」と呼びながらもあきらめきれない。
今はフィリッポ2世の王妃となったエリザベッタはカルロへの愛をふりきるかのように「フランドルへ行って民衆を救いなさい」と言い渡す悲運のヒロイン、ヴェルディの典型的なヒロインである。
もう一方は、スペイン宮廷の第一の美女であるエボリ公女、気性が激しく皇子カルロにあこがれているが、カルロは王妃エリザベッタをあきらめきれない、そこで王妃を陥れるのだが、やがて自分の罪深さを悔い、このアリアを歌って皇子を危機から救う決心をする。
本来はメッゾソプラノが歌うが、カラスが歌うと懺悔する女の弱さとまだ皇子カルロを思う強さが見事に歌われている。
このころのカラスはオナシスと浮名を流し、ゴシップが絶えないころであった。体重を減らしてスマートな美女になっているが、歌は素晴らしいとはいえ、かつての声の威力はない。
しかし、この見事な表現はやはりプリマの中のプリマドンナ、特筆すべきものである。