ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

オイストラッフが弾くシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」第3楽章

2011年02月14日 | 芸術
David Oistrakh - Sibelius Violin Concerto (3rd mvt.)


スターンより少し前の世代のヴァイオリニストだが、スターンとは東西の両巨匠と評されている。
ナチスによるレニングラード包囲の時もヴァイオリンを弾いていて、聴衆も爆撃の合間に流れるオイストラッフの豊麗な演奏に酔っていたというから、すごいことである。

スターンとは演奏のスケールの大きさでは勝るとも劣らない。
ストラディバリを華麗に、しかもその音楽の美しく雄々しいこと、変にロマンティックとか刹那的に弾くヴァイオリンではない。

スターンもこの曲を得意とし私は実演を聴き「ただならぬ気配」を持つその演奏にゾクゾクしたものだが、オイストラッフはスターンのような野武士のような「ただならぬ気配」というものに代わり、誠実で真摯な表現、彼の人柄がよく出ているといわれてきた。

ロシア支配に苦しんだフィンランド、シベリウスは交響詩「フィンランディア」で愛国心を高らかに書きあげ、この曲もフィンランドの民族の誇りを描いている。

かつてヨーロッパを支配した「アッティラ」の末裔としての誇りを舞曲風に書いている。

演奏するオイストラッフはロシア人だが、彼もまた、スターリン粛清におびえ、ドアのノックの音にも震えあがったという恐ろしい体験を語っている。

はじめて日本に来た時、大変な騒ぎで作家の井上靖はオイストラッフ来日公演での騒ぎを小説化したほどだった。

                    この曲を鶏様に捧げます
コメント (6)
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