ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

フランコ・コレッリ、メトロポリタン歌劇場デビューのライヴ録音, そしてパヴァロッティ、デル・モナコも

2012年10月04日 | オペラ
Franco Corelli "Di quella pira" Met Debut 1/27/61


20世紀最大の名歌手のひとり、テノーレのフランコ・コレッリの若き日、アメリカのメトロポリタンにデビューのライヴ録音。「音程が上ずっている」「興奮している」・・・これはコレッリの情熱のなせるわざ、これがまた魅力なんですね。
今までこの曲を聴いた中で、またコレッリが安定して歌っている録音よりも、この録音は破天荒だけれど、すごい魅力です。
まあ、普通じゃないですね、このコレッリというテノーレは。
大物中の大物です。 そして最後の最高音、これが「テノーレ殺し」と言われ、ドミンゴはここが怖くて、脇役のテノーレに頼んで「かわりにこの最高音だけ歌ってくれ、お願いだから」と泣きついて、その脇役歌手に逃げられる、など楽しいエピソードが多い、いわば「難所中の難所」、それもコレッリにかかると「最大の魅力」として聴衆の心をとらえてはなさないのだから。

曲はヴェルディ作曲「トロヴァトーレ」、母親を敵に捕らえられ、命がけで母親を取り返そうと戦いに出る主人公の歌う<見よ、この恐ろしい火を>です。

                      この3つの演奏は、さらりんさまに捧げます。


では「king of High C」と讃えられたパヴァロッティのライヴ
Luciano Pavarotti "Di quella pira" Il Trovatore Firenze 1991



「黄金のトランペット」と讃えられたマリオ・デル・モナコの若き日の録画録音
Mario Del Monaco sings "Di quella pira"


☆ さらりんさまから、素晴らしいコメントを頂きました。
  ご紹介します。

  『イル・トロヴァトーレ』

今は無くなってしまいましたが以前に良く行っていた
イタリア料理店の名前だったことを思い出しました。
イタリアを思わせる明るい店内でしたが、
後にこの名が「吟遊詩人」と知り、
夕闇の中、町を流れて歩く陰のある詩人を想像したものでした(笑)

パヴァロッティは軽く聴きやすく感じますが、
重厚感の溢れるコレッリとデル・モナコは、
単に歌というより歌による力技の域にある気がします。
このオペラの内容は勿論、深く素晴らしいものですが、
それを凌駕してしまうような醍醐味あふれる歌と歌い手の力量を
満喫できるオペラだと感じました。
そのためでしょうか…
ベッラさまが仰っておられるように不安定な感じさえも魅力に溢れているのだと思いました。

親子、兄弟、恋人…
登場人物がそうであるがためにより物語の陰惨さと
残酷さが胸を打ちます。
しかしだからこそ、切なく儚い美しさも漂うようです。

以前にベッラさまが仰っておられたように
ヴェルディは敵対する相手にも光を当てて描くというように、
この物語でも誰かを善悪とは決めつけてはいませんよね。
時代や階級、様々な不条理な中に生きる人たちを照らしていると思います。
貴族の身分で恵まれていたと見える伯爵でも
彼の抱える深い苦しみと孤独は埋めることはできなったように…

    さらりんさま、ありがとうございました。  


この曲、「反日暴動」の時、日本人を案じて心の中で鳴り響いていたのです・・・(そっと告白)
コメント (4)
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