その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある職場の風景 祭り終わる

2010-06-29 23:47:07 | ロンドン日記 (日常)
 JAPAN残念でした。(写真はYAHOO NEWSより)

 ワールドカップ3回目となる大会議室を開放しての社内観戦。日本人社員を中心に20名を超えるスタッフで、TV会議用のスクリーンに大写しになったJAPANを激しく応援。

 正直、パラグアイもミスが多く、決定力に欠けるチームに見えたので、勝機はあったと思う。PKに持ち込んだ時点で、益々、勝機は高まったかとも思った。しかし、勝利の女神は微笑まなかった。

 まあ、PKは時の運だから、結果はしょうがないと思う。第3キッカーとして、駒野が蹴ると分かった時、「駒野で大丈夫か〜」というサッカー通の同僚による、悲鳴とも野次ともつかぬ、不吉な予言があったのだが、それが見事に当たってしまった。

 敗戦が確定し呆然とする、私を含めた日本人社員たち。駐在員も居れば、こちらに生活の基盤を移している日本人現地スタッフも居る。生まれ故郷、日本から離れて、JAPANを応援する者には、日本で日本チームを応援するのとは、また異なった不思議な感覚、共同意識のようなものがあったような気がする。プロ化した最近の高校野球にはもう無くなったかもしれないが、一昔前、上京した人が、甲子園の故郷チームを応援する感覚に似ているのかもしれない。そんな、短い夢を見、共同意識を持たせてくれた、今回のJAPANの健闘に、心から賛辞を送り、感謝したいと思った。

 さあ、Back to workだ。

 2010年6月29日
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とある職場の風景 敗戦翌日、営業会議にて

2010-06-29 00:24:30 | ロンドン日記 (日常)
 朝のニュースは昨日の敗戦の話題で持ちきり。30分のBBCのニュースの10分は使っていたのではないか。監督批判がすごい。ついこの間まで、「彼が失敗することはなかった」と全幅の信頼を置いていたように見えたイギリスメディアだったのに。逆の現象が起こっているであろう日本と併せて、メディアに節操がないのは、洋の東西を問わないことが良く分かる。Times紙によると"It is the English custome at these times to seek someone blame." ということらしい。

 全く逆なのが、今朝の職場。誰もサッカーの話をするスタッフはいない。めちゃくちゃ不自然で、敢えてこの話題を避けているのが見え見え。もちろん、空気を読むのが得意なわれら日本人スタッフも、状況を察し、黙って、黙々と業務を開始。

 しかし、隔週月曜日定例会議(欧州内5カ国をテレビ会議でつなげて、各国から1週間の営業状況について報告するミーティング)の最後で、司会者が、お決まりの一言、"Any other business?" (その他、何かありますか?)と聞いた時に、ハプニングが起こった。

 オランダの会議室から、営業マネジャーが「結局、昨日は何対何だったの?」との一言。

 一瞬、「こいつ、何を言い出したのか?」と私は思ったが、直ぐに気が付いた。彼は、オランダで働いているが、アイルランド人である。アイルランドが、今回のワールドカップには参加できなかった国であること、そして、アイルランドが参加できなかったのは予選の際にフランスのアンリのハンドを見逃した「世紀の大誤審」(参考記事はこちら→)のためであるということは、この会議に出ている欧州人なら皆知っている(ハズ)。だから、彼のこの発言は、彼なりの境遇と配慮の中から生まれた、彼しか言えない、もの凄いハイレベルなジョークなのである。

 しかし、この彼のハイレベルのジョークは、ビデオを通じたロンドン会場には全く通じなかった。一瞬、こちらの会議室は完全に凍りついてしまった。しばらく沈黙。そして、一言「4-1だろ」と、私の向かいに座った、普段お茶らけたイギリス人が、全く彼らしからぬ、直球ど真ん中の答えを返す。ロンドン会議室の雰囲気は、沈む一方。

 この空気を察してか、ネットの向こう側のドイツ拠点のドイツ人スタッフが、「昨日は4-2だよ。66年もあったしね」と、これまた、気を遣っているのか、逆なでしているのか、意図の全く分からないコメントで、更に気まずさが倍増。

 どうなることかと思ったが、ロンドン側に居る司会者が「明日は、日本戦。皆で日本を応援しましょう。」で締めくくった。凍った空気が、少し和んで、会議は終わりとなった。

 ふぅ〜。疲れる。

 ※この話を別の日本人スタッフに紹介したところ、 「アイルランド人の発言は、同じ目にあったイングランド、ザマミロ!ともとれないか?」という分析が返ってきた。なかなか鋭いかも。

(今朝のTimes紙)



 2010年6月28日
コメント (4)
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