王宮のミサの後は、昔ベートーヴェンが住んだゆかりのエリアであるハイリゲンシュタットを訪問。ウィーン市内中心部から路面電車で20分ちょっと乗った閑静な住宅街にある。
まずは、聴覚が戻らなくなったことに絶望したベートーヴェンが、弟に「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いたという家を訪れる。今は、簡素な博物館になっている。入り口で1.5ユーロを支払い中に入る。小学校の教室半分ぐらいの部屋に、手紙や楽譜が展示してある。原本というよりは、コピーが殆どだが、彼が住んでいたところでその当時のものを見るということが大切で、原本かそうでないかはあまり関係ない。見学者は自分しかおらず、静かな部屋の一室で、ベートーヴェンと対話。部屋に、雑記帳が置いてあり見学者が自由にメッセージを書くことができる。ページをめくってみたら、半分ぐらいが日本人だった。ベートーヴェンに向けた心暖めるメッセージが多い。やっぱり、日本人はベートーヴェンが好きなんだなあと納得。自分も一言、気持ちを書き添えた。
(ハイリゲンシュタットの遺書の家。2階が展示室)
(展示室は小ぶりです)
外に出る。この近辺に5,6つぐらいゆかりの地があるらしく(引っ越しばかりしていたらしい)、いたるところにベートーヴェンハウスの掲示が出ている。雨がぽちぽち、降り出したので、近くのホイリゲ(居酒屋)に昼食を取りに入る。「ホイリゲは今年で来たワインを指すと同時に、ホイリゲを飲ませる酒場もホイリゲと呼ぶ」らしい。
(ゆかりの地を案内する地図)
(ウイーン郊外ではブドウが取れ、ワインを生産。後ろに写っているのがブドウ畑)
近くで「マイヤー」という、昔ベートーベンが滞在して、「第9」を作曲したといわれるホイリゲを訪ねる。ここは、ワイナリーを自家経営しており、自家製のワインを出す。料理はカフェテリア方式で、別室で品を見ながら選ぶ。ロースとポークをメインに、野菜の炒め煮を惣菜で頼んだが、このポークがジューシーでかつ香草の香りが皮の周りからほのかに匂う絶品だった。ワインもさっぱりしていて美味しい。白・赤それぞれ飲む。お昼時なのでまだ客も少ないが、夜になるとお客が一杯で、芸人が音楽を奏でたりして大いに盛り上がるらしい。木造の山小屋風の広いダイニングルームは温かみがあって、雰囲気がある。
(立派な建物)
(入り口です)
(中庭。雨が降っていたので無理だが、晴れなら中庭で食べたら楽しさ倍増だろう)
(好きなものを注文できるビュフェカウンター)
(高級料理ではないけど、絶品でした。これで確か€15弱(ワイン2杯込み))
(座席から雨の降る中庭を見る)
(室内はこんなかんじです)
雨が小ぶりになったので、近くにあるベートーヴェンの小道といわれる散歩道に行く。ベートーヴェンがこの小道を歩いて、田園交響曲の楽想を得たとい言われているところだ。京都の「哲学の道」を思わせる、木に囲まれた道は、確かに物思いに耽りながら歩くのが良い。ただ、歩いていいるうちに止んだと思った雨が急にまた降り出し、風が出て、雷がなり、嵐になった。傘を持ってこなかったので参ったが、これがまさに田園交響曲の第4楽章そのものだった。交響曲第6番の第4楽章では急に嵐が訪れ、去る様子が描かれている。まるで、図ったようなタイミングで、第4楽章が始まったこの偶然に、自己満足に浸り、雨にぬれるのも気にならず、感慨に耽った。しばらくすると、小降りになると、鳥の声が聞こえてきた。田園交響曲そのものだった。
(たぶん、ベートーヴェンの小道と書いてあるはず)
(こんな散歩道が1キロちょっと続きます)
(途中にベートーヴェンの胸像。お参りしておきました)
路面電車に乗って、ホテルに戻って、最後の夜のオペラに備え昼寝。
2010年5月30日
≪関連記事≫
ウィーン旅行(その1)百像の街
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まずは、聴覚が戻らなくなったことに絶望したベートーヴェンが、弟に「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いたという家を訪れる。今は、簡素な博物館になっている。入り口で1.5ユーロを支払い中に入る。小学校の教室半分ぐらいの部屋に、手紙や楽譜が展示してある。原本というよりは、コピーが殆どだが、彼が住んでいたところでその当時のものを見るということが大切で、原本かそうでないかはあまり関係ない。見学者は自分しかおらず、静かな部屋の一室で、ベートーヴェンと対話。部屋に、雑記帳が置いてあり見学者が自由にメッセージを書くことができる。ページをめくってみたら、半分ぐらいが日本人だった。ベートーヴェンに向けた心暖めるメッセージが多い。やっぱり、日本人はベートーヴェンが好きなんだなあと納得。自分も一言、気持ちを書き添えた。
(ハイリゲンシュタットの遺書の家。2階が展示室)
(展示室は小ぶりです)
外に出る。この近辺に5,6つぐらいゆかりの地があるらしく(引っ越しばかりしていたらしい)、いたるところにベートーヴェンハウスの掲示が出ている。雨がぽちぽち、降り出したので、近くのホイリゲ(居酒屋)に昼食を取りに入る。「ホイリゲは今年で来たワインを指すと同時に、ホイリゲを飲ませる酒場もホイリゲと呼ぶ」らしい。
(ゆかりの地を案内する地図)
(ウイーン郊外ではブドウが取れ、ワインを生産。後ろに写っているのがブドウ畑)
近くで「マイヤー」という、昔ベートーベンが滞在して、「第9」を作曲したといわれるホイリゲを訪ねる。ここは、ワイナリーを自家経営しており、自家製のワインを出す。料理はカフェテリア方式で、別室で品を見ながら選ぶ。ロースとポークをメインに、野菜の炒め煮を惣菜で頼んだが、このポークがジューシーでかつ香草の香りが皮の周りからほのかに匂う絶品だった。ワインもさっぱりしていて美味しい。白・赤それぞれ飲む。お昼時なのでまだ客も少ないが、夜になるとお客が一杯で、芸人が音楽を奏でたりして大いに盛り上がるらしい。木造の山小屋風の広いダイニングルームは温かみがあって、雰囲気がある。
(立派な建物)
(入り口です)
(中庭。雨が降っていたので無理だが、晴れなら中庭で食べたら楽しさ倍増だろう)
(好きなものを注文できるビュフェカウンター)
(高級料理ではないけど、絶品でした。これで確か€15弱(ワイン2杯込み))
(座席から雨の降る中庭を見る)
(室内はこんなかんじです)
雨が小ぶりになったので、近くにあるベートーヴェンの小道といわれる散歩道に行く。ベートーヴェンがこの小道を歩いて、田園交響曲の楽想を得たとい言われているところだ。京都の「哲学の道」を思わせる、木に囲まれた道は、確かに物思いに耽りながら歩くのが良い。ただ、歩いていいるうちに止んだと思った雨が急にまた降り出し、風が出て、雷がなり、嵐になった。傘を持ってこなかったので参ったが、これがまさに田園交響曲の第4楽章そのものだった。交響曲第6番の第4楽章では急に嵐が訪れ、去る様子が描かれている。まるで、図ったようなタイミングで、第4楽章が始まったこの偶然に、自己満足に浸り、雨にぬれるのも気にならず、感慨に耽った。しばらくすると、小降りになると、鳥の声が聞こえてきた。田園交響曲そのものだった。
(たぶん、ベートーヴェンの小道と書いてあるはず)
(こんな散歩道が1キロちょっと続きます)
(途中にベートーヴェンの胸像。お参りしておきました)
路面電車に乗って、ホテルに戻って、最後の夜のオペラに備え昼寝。
2010年5月30日
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