その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ウィーン旅行(その3) 美術史美術館 

2010-06-01 22:21:01 | 旅行 海外
5月29日(土)

 朝食を済ませ、チンチン電車に乗って美術史美術館へ向かう。昨日までの天気予報では土・日は強い雨の予報だったが、何故か薄日が差す好日。欧州の都市では路面電車が走っているところが多いが、チンというベルの音、線路と車輪の摩擦音、ゆっくりとしたスピード(それでもウィーンの路面電車は結構速い)が、なんとも街の風景の中に溶け込んで優雅なものである。バスだとこうした趣は味わえない。

 美術史美術館の前には、マリア・テレジア像が建っている。美術館の建物も立派。




 美術史美術館は、噂どおりの素晴らしい美術館だった。今回は音声ガイドは借りず、まず入館と同時にミュージアムショップに入り、そこで主要作品の解説がついた美術館ガイドを購入した。音声ガイドよりも、ガイドを参照しながらの鑑賞する方が後々の記憶に残るかと思ったからだ。入り口の玄関ホールの豪華絢爛さ、天井の美しさに目がくらむ。





 そして、最初に入室した部屋には、いきないティツィアーノの大量の絵が展示してあり、その質・量に肝を抜かれた。そして、ティツィアーノを皮切りにジョルジョーネ、ベッリーニ、ラファエロなどのイタリア絵画の巨匠たちの作品が、フィレンチェも顔負けに展示。その後、ベラスケスによる有名な王女マルガリータ=テレサの3歳,5歳、8歳の肖像画。スペインからの嫁入りが予定されていて、見合い写真の代わりにフェリッペ4世から送られていたという話を本で読んだことがある。これでやっと、半分。







 さらに後半はルーベンス、レンブラント、フェルメール、デュラー、ホルバインの力作が並ぶ。素通りできない絵が次から次へと現れる。そして、この美術館名物のブリューゲル部屋。評判どおりのすごいコレクション。「バベルの塔」「雪中の狩人」「子供の遊び」「農民の婚礼」など、今まで画集で見た絵を目の前にして、感激。本当に、細かくかつ生き生きと描かれている。






   

 結局、2時間半たっぷりかけて鑑賞、というかそこで自分がガス欠。印象派以前の絵を見るのは、印象派以降のそれよりもずっとエネルギーがいるので、へとへと。最近は、すっかり近代以前の絵の方が好きになった。

 美術館のレストランでブランチ・ブッフェというやっていて美味しそうな料理がたくさん並んでいたので惹かれたが、34ユーロもしたので、諦めた。結局、昼は王宮広場で開催されていた物産展の屋台でハムのセット、アスパラガスの炒めを食べた、ただ、これも美味で大当たりだった。









 昼間からのワインの酔いも醒めないうちに、どうしてもウイーンで見ておきたいクリムトの「接吻」を見に、ベルヴェデーレ宮殿上宮へ。ここには世界最大のクリムトのコレクションがある。





 「接吻」はさすがと思わせる神秘的な美しさ。絵の様式、金の色使い、立ちすくむしかないような絵だった。

(有名な「接吻」と「ユディット」)
 

 クリムト以外にも良い絵が沢山あったが、朝からの絵画鑑賞に集中力がもたず、これにて終了。夜のオペラに向け、ホテルに戻って昼寝。

(つづく)

≪関連記事≫
 ウィーン旅行(その1)百像の街

 ウィーン旅行(その2)楽友協会でウィーンフィルを聴く
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ロンドン郊外の本屋

2010-06-01 04:27:53 | ロンドン日記 (日常)
 連休最後の日、さっぱりしない天気。日用品の買い物ついでに、近くの本屋に寄る。街中にあるようなでかい本屋ではないが、一通りの品揃えはある。日本での自宅近くの行きつけの本屋と同じぐらいの規模だ。

 同じ郊外の住宅街にある本屋でも、ロンドンと東京では随分品揃えが違うような気がする。店の品揃えの違いか、それともイギリスの本屋の特徴かが分からないが、独断で気がついたことをいくつかメモすると・・・

 職業柄、どうしてもビジネス関連のコーナーに足が向くのだが、こちらの近くの本屋はビジネス書の品揃えは全然ダメ。3メートル分の棚ぐらいしか置いてない。ビジネスだけで一コーナーある日本の本屋とはえらい違いだ。あまりこちらの人はビジネスノウハウを本で得るということをあまりしないのだろうか?

 反面、小説(フィクション)のコーナーはやたら広い気がする。確かに地下鉄に乗っていて、人が読んでいる本が気になってよくタイトルだけ盗み見するのだが、小説類が多いような気がする。

 あと、歴史物、戦争物の棚も多い。日本にもあることにはあるが、明らかにこちらのが多い。戦争物が多いのは、お国柄からうなずける。

 伝記もこっちは多い。アメリカでもやたら伝記が本屋に置いてあってビックリした覚えがあるが、イギリス人も伝記好きなのだろうか?日本はあまりないような気がするが・・・

 最後に、圧倒的に日本の本屋の方が混んでる。こっちは、「休日の午後に、こんな客の入りでこの本屋大丈夫か?」と心配になるぐらいだ。イギリス人は本を読まないのか?ネットで買うのか?活字離れが進んでいるといわれる日本だが、絶対、日本人は活字好きだと自分は思う。そういう統計ってないのだろうか?

 で、私が買った本は・・・


左から
"COUNTRY WALKS 52 WALKS WITHIN EASY REACH OF LONDON"
"COUNTRY WALKS NEAR LONDON VOLUME2"
"30 GREAT RUNS IN LONDON"

 英語の字が多い本は、一分で眠くなるので・・・

 さあ、これ見て、走って、歩くぞ!!!
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