5月29日(土)
朝食を済ませ、チンチン電車に乗って美術史美術館へ向かう。昨日までの天気予報では土・日は強い雨の予報だったが、何故か薄日が差す好日。欧州の都市では路面電車が走っているところが多いが、チンというベルの音、線路と車輪の摩擦音、ゆっくりとしたスピード(それでもウィーンの路面電車は結構速い)が、なんとも街の風景の中に溶け込んで優雅なものである。バスだとこうした趣は味わえない。
美術史美術館の前には、マリア・テレジア像が建っている。美術館の建物も立派。
美術史美術館は、噂どおりの素晴らしい美術館だった。今回は音声ガイドは借りず、まず入館と同時にミュージアムショップに入り、そこで主要作品の解説がついた美術館ガイドを購入した。音声ガイドよりも、ガイドを参照しながらの鑑賞する方が後々の記憶に残るかと思ったからだ。入り口の玄関ホールの豪華絢爛さ、天井の美しさに目がくらむ。
そして、最初に入室した部屋には、いきないティツィアーノの大量の絵が展示してあり、その質・量に肝を抜かれた。そして、ティツィアーノを皮切りにジョルジョーネ、ベッリーニ、ラファエロなどのイタリア絵画の巨匠たちの作品が、フィレンチェも顔負けに展示。その後、ベラスケスによる有名な王女マルガリータ=テレサの3歳,5歳、8歳の肖像画。スペインからの嫁入りが予定されていて、見合い写真の代わりにフェリッペ4世から送られていたという話を本で読んだことがある。これでやっと、半分。
さらに後半はルーベンス、レンブラント、フェルメール、デュラー、ホルバインの力作が並ぶ。素通りできない絵が次から次へと現れる。そして、この美術館名物のブリューゲル部屋。評判どおりのすごいコレクション。「バベルの塔」「雪中の狩人」「子供の遊び」「農民の婚礼」など、今まで画集で見た絵を目の前にして、感激。本当に、細かくかつ生き生きと描かれている。
結局、2時間半たっぷりかけて鑑賞、というかそこで自分がガス欠。印象派以前の絵を見るのは、印象派以降のそれよりもずっとエネルギーがいるので、へとへと。最近は、すっかり近代以前の絵の方が好きになった。
美術館のレストランでブランチ・ブッフェというやっていて美味しそうな料理がたくさん並んでいたので惹かれたが、34ユーロもしたので、諦めた。結局、昼は王宮広場で開催されていた物産展の屋台でハムのセット、アスパラガスの炒めを食べた、ただ、これも美味で大当たりだった。
昼間からのワインの酔いも醒めないうちに、どうしてもウイーンで見ておきたいクリムトの「接吻」を見に、ベルヴェデーレ宮殿上宮へ。ここには世界最大のクリムトのコレクションがある。
「接吻」はさすがと思わせる神秘的な美しさ。絵の様式、金の色使い、立ちすくむしかないような絵だった。
(有名な「接吻」と「ユディット」)
クリムト以外にも良い絵が沢山あったが、朝からの絵画鑑賞に集中力がもたず、これにて終了。夜のオペラに向け、ホテルに戻って昼寝。
(つづく)
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ウィーン旅行(その1)百像の街
ウィーン旅行(その2)楽友協会でウィーンフィルを聴く
朝食を済ませ、チンチン電車に乗って美術史美術館へ向かう。昨日までの天気予報では土・日は強い雨の予報だったが、何故か薄日が差す好日。欧州の都市では路面電車が走っているところが多いが、チンというベルの音、線路と車輪の摩擦音、ゆっくりとしたスピード(それでもウィーンの路面電車は結構速い)が、なんとも街の風景の中に溶け込んで優雅なものである。バスだとこうした趣は味わえない。
美術史美術館の前には、マリア・テレジア像が建っている。美術館の建物も立派。
美術史美術館は、噂どおりの素晴らしい美術館だった。今回は音声ガイドは借りず、まず入館と同時にミュージアムショップに入り、そこで主要作品の解説がついた美術館ガイドを購入した。音声ガイドよりも、ガイドを参照しながらの鑑賞する方が後々の記憶に残るかと思ったからだ。入り口の玄関ホールの豪華絢爛さ、天井の美しさに目がくらむ。
そして、最初に入室した部屋には、いきないティツィアーノの大量の絵が展示してあり、その質・量に肝を抜かれた。そして、ティツィアーノを皮切りにジョルジョーネ、ベッリーニ、ラファエロなどのイタリア絵画の巨匠たちの作品が、フィレンチェも顔負けに展示。その後、ベラスケスによる有名な王女マルガリータ=テレサの3歳,5歳、8歳の肖像画。スペインからの嫁入りが予定されていて、見合い写真の代わりにフェリッペ4世から送られていたという話を本で読んだことがある。これでやっと、半分。
さらに後半はルーベンス、レンブラント、フェルメール、デュラー、ホルバインの力作が並ぶ。素通りできない絵が次から次へと現れる。そして、この美術館名物のブリューゲル部屋。評判どおりのすごいコレクション。「バベルの塔」「雪中の狩人」「子供の遊び」「農民の婚礼」など、今まで画集で見た絵を目の前にして、感激。本当に、細かくかつ生き生きと描かれている。
結局、2時間半たっぷりかけて鑑賞、というかそこで自分がガス欠。印象派以前の絵を見るのは、印象派以降のそれよりもずっとエネルギーがいるので、へとへと。最近は、すっかり近代以前の絵の方が好きになった。
美術館のレストランでブランチ・ブッフェというやっていて美味しそうな料理がたくさん並んでいたので惹かれたが、34ユーロもしたので、諦めた。結局、昼は王宮広場で開催されていた物産展の屋台でハムのセット、アスパラガスの炒めを食べた、ただ、これも美味で大当たりだった。
昼間からのワインの酔いも醒めないうちに、どうしてもウイーンで見ておきたいクリムトの「接吻」を見に、ベルヴェデーレ宮殿上宮へ。ここには世界最大のクリムトのコレクションがある。
「接吻」はさすがと思わせる神秘的な美しさ。絵の様式、金の色使い、立ちすくむしかないような絵だった。
(有名な「接吻」と「ユディット」)
クリムト以外にも良い絵が沢山あったが、朝からの絵画鑑賞に集中力がもたず、これにて終了。夜のオペラに向け、ホテルに戻って昼寝。
(つづく)
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