今、イギリス中のいろんなところで、サマー・フェスバルをやっていて、RockやPOPSに始まり、クラシックなども含めて、とっても楽しそうである。ロンドンでは最近、シティ・オブ・ロンドン・フェスティバルというのが始まり、シティの中のいろんな会場で、コンサートや映画、イベントなどをやっている。今夜は、仕事帰りにその一つのプログラムに寄ってみた。なんと、会場はセントポール大聖堂で、曲はモンテヴェルディのVesproである。(といいつつ、モンテヴェルディはCDこそ持ってはいるものの、生では初めて聴くので、よく知らないのだが・・・)
ロンドン有数の大聖堂でモンテヴェルディを聴く。こんな最高の舞台があるのだろうか。開演は午後8時。セントポール大聖堂は、7時20分に仕事を終えて、十分間に合う距離にある。開演10分前に到着したが、まだ陽は高く、大聖堂を真正面から照らしていた。
中にはいると、一面に椅子が並べてある。窓から夕刻の明るい陽射しが差し込み、ドームの下にあるキリスト像を照らしている。なんとも厳粛な雰囲気だ。
演奏と合唱が始まる。教会内の音の響きが何とも重層的。生の音が天井のドームに反射して響き、回廊をずっと伝わって一週してまた戻ってくる。そんな残響。いわゆる音響的に言うと残響が長すぎると言うのかもしれない。大瀧詠一のレコードのエコーなんて目じゃないエコーだ。ただ、その残響が、教会という場所と宗教曲という音楽を得ると、意味知れぬ神聖な気持ちや感動を与えてくれる。月並みだが、心の洗濯とはまさにこんなことを言うのだろうと思った。
一時間半近くあるこの曲の後半には、聖堂の周りの暗くなり始め、聖堂の窓から入る光も弱まり、夜が近づく気配を教会全体から感じる。そして音楽も後半のクライマックスに。暗い聖堂の中にで楽団とコーラスの人がだんだんと浮かび上がってくる様も何ともドラマティック。開演時間の八時というのはまさにこの効果を狙ったのかと思った。
演奏が終わると大きな拍手。拍手も教会内で反射して自分の拍手の音を聴いているんだか、反響を聴いているんだか解らなくなるものだった。とっても大切な時間を頂いた。
※シティオブロンドンフェスティバルは8月上旬までシティ各所の会場でやっています。セントポール大聖堂でのコンサートもまだあるようです。詳しくはフェスティバルホームページをご覧ください。(ホームページはこちら→)
Choir of St Paul's Cathedral and His Majestys Sagbutts & Cornetts -
Tuesday 22 June
Time: 20:00
St Paul's Cathedral
Choir of St Paul's Cathedral
His Majestys Sagbutts & Cornetts
Rebecca Outram soprano
Cecilia Osmond soprano
Mark Wilde tenor
Andrew Carwood conductor
Monteverdi Vespers (1610)
*The awesome and uplifting surroundings of St Paul’s Cathedral will provide a fitting atmosphere for Monteverdi’s monumental Vespers (1610). This musical masterpiece was created 400 years ago for the architecture of the Italian renaissance which so inspired Christopher Wren in his building of St Paul’s exactly one century later. Conducted by Andrew Carwood.
ロンドン有数の大聖堂でモンテヴェルディを聴く。こんな最高の舞台があるのだろうか。開演は午後8時。セントポール大聖堂は、7時20分に仕事を終えて、十分間に合う距離にある。開演10分前に到着したが、まだ陽は高く、大聖堂を真正面から照らしていた。
中にはいると、一面に椅子が並べてある。窓から夕刻の明るい陽射しが差し込み、ドームの下にあるキリスト像を照らしている。なんとも厳粛な雰囲気だ。
演奏と合唱が始まる。教会内の音の響きが何とも重層的。生の音が天井のドームに反射して響き、回廊をずっと伝わって一週してまた戻ってくる。そんな残響。いわゆる音響的に言うと残響が長すぎると言うのかもしれない。大瀧詠一のレコードのエコーなんて目じゃないエコーだ。ただ、その残響が、教会という場所と宗教曲という音楽を得ると、意味知れぬ神聖な気持ちや感動を与えてくれる。月並みだが、心の洗濯とはまさにこんなことを言うのだろうと思った。
一時間半近くあるこの曲の後半には、聖堂の周りの暗くなり始め、聖堂の窓から入る光も弱まり、夜が近づく気配を教会全体から感じる。そして音楽も後半のクライマックスに。暗い聖堂の中にで楽団とコーラスの人がだんだんと浮かび上がってくる様も何ともドラマティック。開演時間の八時というのはまさにこの効果を狙ったのかと思った。
演奏が終わると大きな拍手。拍手も教会内で反射して自分の拍手の音を聴いているんだか、反響を聴いているんだか解らなくなるものだった。とっても大切な時間を頂いた。
※シティオブロンドンフェスティバルは8月上旬までシティ各所の会場でやっています。セントポール大聖堂でのコンサートもまだあるようです。詳しくはフェスティバルホームページをご覧ください。(ホームページはこちら→)
Choir of St Paul's Cathedral and His Majestys Sagbutts & Cornetts -
Tuesday 22 June
Time: 20:00
St Paul's Cathedral
Choir of St Paul's Cathedral
His Majestys Sagbutts & Cornetts
Rebecca Outram soprano
Cecilia Osmond soprano
Mark Wilde tenor
Andrew Carwood conductor
Monteverdi Vespers (1610)
*The awesome and uplifting surroundings of St Paul’s Cathedral will provide a fitting atmosphere for Monteverdi’s monumental Vespers (1610). This musical masterpiece was created 400 years ago for the architecture of the Italian renaissance which so inspired Christopher Wren in his building of St Paul’s exactly one century later. Conducted by Andrew Carwood.