その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

Prom 61: Fitkin & Beethoven/ BBC交響楽団

2011-09-01 00:24:15 | コンサート (in 欧州)
今日で8月も終わり。新聞報道によると今年のイギリスは20年ぶりの冷夏だったそうです。そんなに寒いとは思わなかったけど、確かに7月から暑いと思う日は数えるほどしかなかったような・・・。

エジンバラフェスティバルの模様や先週のPromsなど、まだ書いていないことが沢山あるんですが、取り急ぎ今日のレポート。
――――――――――――――――――――――

ヨーヨー・マ聴きたさに、仕事を強制終了して、プロムスへ出撃しました。2年前の深夜プロムスで彼の演奏に魅せられた(→こちら)ので、私としては今シーズンの目玉公演の一つです。

ヨーヨー・マが演奏する曲は、今日が世界初演のフィトキンのチェロ協奏曲。フィトキンという人は1963年生まれのイギリス人で、本作品はヨーヨー・マを念頭に置いて作られたとか。

曲はとてもデリケートな曲でした。耳をそばだててチェロの微妙な力の入れ加減を追うような音楽です。ヨーヨー・マのチェロから生まれる音は繊細で、優しく、表情豊かです。ただ残念なことに、一生懸命聴こうとする気持ちが強すぎたのか、私自身が途中で沈没。拍手で演奏の終了に気づくというだらしなさ。なんとも情けない気合いの空回りでした。顔洗って、BBCのWebサイトで聴き直します。





休憩を挟んで後半は、ベートーベンの交響曲第9番。早めのテンポで進んだデイヴィッド・ロバートソン指揮の演奏は、スタンダードではありましたが、正直、面白味には欠けるものでした。BBCSOの演奏は今日もすばらしく、特に第3楽章の美しさは天国にいるかのようでした。合唱も2つの合唱団による大合唱で、心が洗われます。でも、全体を通しての印象は、どうも耳には心地よく入ってくるんだけど、そのまま通り抜けてしまう。教科書を読んでいるような、パンチや個性のなさを感じてしまった演奏でした。

う~ん、ちょっと残念。




Wednesday 31 August
7.30pm – c. 9.45pm
Royal Albert Hall
Choral music and singing events

Graham Fitkin
Cello Concerto (c27 mins)
BBC Commission, World Premiere
INTERVAL
Beethoven
Symphony No. 9 in D minor, 'Choral' (70 mins)
Yo-Yo Ma cello
Christine Brewer soprano
Karen Cargill mezzo-soprano
Toby Spence tenor
Iain Paterson bass-baritone
Philharmonia Chorus
BBC Symphony Chorus
BBC Symphony Orchestra
David Robertson conductor
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする