その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

Prom 67: Beethoven/ Missa Solemnis

2011-09-05 22:30:26 | コンサート (in 欧州)
プロムスもいよいよ今週末の土曜日で終了。毎年のことだが、シーズンが始まった7月はあんなに高かった夕陽が、シーズン後半の9月にはめっきり傾いている。過ぎ去った夏がもう懐かしい。

今日はベートーベンのミサ・ソレムニス。録音も含めて、聴くのは初めての曲。今日は定期演奏会(こんな言い方はホントはしてないけど)ではおなじみだが、プロムスでは初めてのコリン・デイビス御大とLSO(ロンドン交響楽団)のコンビ。とっても楽しみにしていたコンサート。

神々しい音楽だった。主役は間違いなくコーラス。ロンドン・シンフォニー・コーラスとロンドン・フィルハーモニック・コーラスの2つの合唱団、総勢250名近くの素晴らしいハーモニーがホール一杯に響いた。グロリアとクレドの壮大なスケールは第9交響曲の第4楽章のクライマックスを聴き続けているような感覚になる(なので少々、疲れる)。そして、最後のアニュス・デイの神聖な響き。心が洗われる合唱だった。独唱の4名も、ソプラノのHelena Juntunen、メゾのSarah Connollyを筆頭に、しっかりといい仕事をしたという感じだった。

LSOはさすが上手い。プロムスのおかげでアルバート・ホールでいろんな楽団を聴かせてもらっているが、やっぱりLSOはトップクラスであることを確認。個々の管楽器の個人技、伸びやかかつまとまった弦。デイビス御大の指揮は、いつもとっても大雑把に見えるのだが、そこから極めて繊細かつ迫力もある音楽が産み出されるからとっても不思議だ。主役は歌に委ねたものの、歌と演奏がしっかりと噛み合った、素晴らしい公演だったと思う。

熱気に満ちたホールを出ると、思わず襟元が開いたジャケットを閉じて、体を一回り縮めるような冷たい空気が待っていた。プロムスが終わるということは、秋本番ということなのだ。

(秋の夕陽に照らされるアルバートホール)


(終演後のカーテンコール)






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Sunday 4 September
7.00pm – c. 8.40pm
Royal Albert Hall
Choral music and singing events

Beethoven
Missa Solemnis (90 mins)

Helena Juntunen soprano
Sarah Connolly mezzo-soprano
Paul Groves tenor
Matthew Rose bass
London Philharmonic Choir
London Symphony Chorus
London Symphony Orchestra
Sir Colin Davis conductor
コメント (2)
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