その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある職場の風景 日本品質 百聞は一見に如かず

2011-09-13 23:44:00 | ロンドン日記 (日常)
 今日、明日は欧州各国拠点のマーケティングマネジャーが集まっての会議。今夜はチームビルディングのチーム夕食会があったのだが、先日日本に初めて出張したドイツ人のマネジャーのみやげ話がなかなかおもしろかった。

 彼曰く、「日本人の駐在者や日本のお客さんが「日本品質」「日本品質」って言うけど、やっと意味が分かったよ」とのこと。「何がどう分かったの?」と尋ねると、いろんな経験談を話してくれた。

― 直行便で一番安かったJALで行ったら、フライトアテンダントが素晴らしかった。エコノミークラスなのに、いつも微笑んでくれて、おしぼりを出す時、料理を出す時、すべてのサービスに心がこもっている。ルフトハンザじゃありえないよ。

― 成田空港のバッゲージクレーム。ベルトコンベアに乗って、スーツケースが運ばれてくる。欧州なら、バタバタとベルトからスーツケースがおっこってくる。成田には、ベルトコンベアの最後に係員が立っていて、運ばれてくるスーツケースを一つ一つ取り上げては、回転ベルトに一つ一つ丁寧に並べていく。こんなのありえないよ。

― 成田空港の空港バスも凄かった。スーツケースを預けると、引換券をくれた上に、スーツケースを一つ一つ綺麗にトランクに収納していく。こっちじゃ、適当に自分で運んで詰め込むだけだからね。

― 街でどのレストランに入っても、サービスが素晴らしいよ。良く気がついてくれるし、態度も素晴らしい。サービスの意味が初めて分かった気がするよ。

 「もう、とにかく、日本のサービスは凄いよ。皆も一回行った方が良いよ」とすっかり日本贔屓になって帰ってきた。これはこれで日本人としては嬉しいのだが、こちらに来て、日本のサービスはむしろ「過剰サービス」なのではと思いはじめている私には、ちょっと複雑な気分でもあった。

 しかし、いずれにせよ、普段から「品質、品質」とこちらも嫌になるほど繰り返していても、一向にすれ違いの感覚が無くならないことを振り返ると、グタグタ言うよりも、一回日本に出張させるのが一番分かってもらえるということなのだ。やっぱり、百聞は一見に如かずなのである。
コメント (3)
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