昨今の日本企業の人事マネジメントの現状をレポートする本。リストラ、採用、給与、昇進、解雇法制度など、バランス良く旬なトピックスを扱っています。企業よりでも、極端に労働者よりでもなく、ニュートラルな立場で記述しているので、過激なタイトルの割りに、構えることなく読むことが出来ました。
筆者は、この20年間で日本企業の会社と社員の関係や大きく変わり、今後の行きつく先は「選別主義」の強化だと言います。そして、「多くの人は会社に依存しない自分なりの人生の生き方の目標を模索していかなければならなくなる」(p229)と言います。個人として実践していくのは簡単ではないですが、選別主義のトレンドは避けられないでしょう。
ジャーナリストの著述だけに、領域のカバーは広いですが、個々のトピックスについて深掘りはされていません。人事の専門家には物足りないと思います。人事を専門とはしないけど、現在の日系企業の「人事」をめぐるの状況を掴みたい人に最適だと思います。