閉会期間近のボストン美術館展に行ってきました。テーマはジャポニズム。モネを初めとする欧米の芸術家達が浮世絵など日本の芸術にどのように影響を受けたのかを探る企画です。
目玉はポスターにもなっている有名なモネの大作《ラ・ジャポネーズ》ですが、これ以外にも見どころ満載の展示でした。
興味深かったのは、展示の構成。冒頭に西洋人のジャポネズリー(日本趣味)を紹介した後は、女性、シティ・ライフ、自然、風景と作品のテーマごとに、日本の絵画や浮世絵等の芸術とそれを援用した西洋の画家達の作品が展示されています。構図、色使い、デザインなど、中にはこれは本当に日本の影響かしらん?と思うようなところもありますが、当時の西洋における日本趣味が良く分かります。
ボストン美術館所蔵の浮世絵がふんだんに展示されているのも驚きでした。日本美術だけでも10万点を超える所蔵があるということなので、ホンノ一部なのでしょうけど、細かな描写や色使いなど、図版では良く目にするもののやはり本物ならではの風味を感じます。
《ラ・ジャポネーズ》は大学生の時に旅行で初めてボストン美術館を訪れた時に強烈な印象を残してくれた絵です。確か、その後も一度来日した記憶がありますが、いずれにせよ少なくとも10年以上は経っての再会。最近、1年かけて修復されたという《ラ・ジャポネーズ》は確かに色合いもクリアで綺麗になった感じ。相変わらず、モデルのカミーユ・モネさんの何かに取りつかれたような表情、今にも飛び出してきそうな侍の迫力、目に焼きつく着物の赤の下地など、近くから見ても遠くから見ても、強烈な吸引力を秘めています。
閉会期1週間前ということもあってか、館内はそこそこ混みあっていましたが、鑑賞に苦労する程ではありません。残り1週間ですが、まだの方には、強くお勧めします。
《2014年9月7日訪問 雨上がりの世田谷美術館》