その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 12月定期Cプロ/ 指揮:シャルル・デュトワ/ ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ほか

2014-12-19 00:14:23 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
 一週間遅れですが、先週聞きに行ったN響の12月定期Cプログラムの模様を簡単に。

 この日のプログラムは???。「武満、ベルグは良いけど、その後が何故、ドヴォルザークの交響曲第9番?選曲の狙いは何なのだろうか?「新世界から」なら別にデュトワさんでなくてもいいのでは?」などなどとぶつぶつ呟きながら、NHKホールへ。ホールに入ると入口がなんか物々しい雰囲気。誰かVIPでも鑑賞に来るのかと思って暫し立ち止まっていたら、何と皇太子殿下がお見えになりました。

 冒頭の武満さんの曲は初めてでしたが、自分自身、流して聴いてしまい、特に取りたてての感想はなし。すいません。

 続くベルグのヴァイオリン協奏曲は、お母さんが日本人のアラベラ・美歩・シュタインバッハーさんがソリスト。写真では妖麗な雰囲気がありますが、ステージに現われた彼女は青のドレスでむしろ清楚かつエレガントなイメージ。演奏は奇をてらわない正攻法の演奏でした。ヴァイオリンの音は大きくはないけど、一つ一つの音が丁寧な感じ。この曲は、ベルグが18歳で他界したマノン・グロピウス(アルマ・マーラーと彼女の2人目の夫ワルター・グロピウスとの娘)を追悼したものですが、ベルグの想いが胸に伝わってくるような純粋な音楽でした。ただ、オーケストラとのコラボという意味では?マーク。N響の演奏がずいぶん緩く聴こえたのは気のせいでしょうか?

 休憩後の「新世界より」はN響らしい横綱演奏。第2楽章の池田昭子さんによるイングリッシュ・ホルンのソロは惚れ惚れする美しさ。全体としてはアクセントがしっかりついた見通しの良い音楽でした。

 この秋のN響定演は、私にとって熱かった公演が続いたのですが、この日は特に不満はないものの熱いところまでは至りませんでした。殿下はどうお感じになられたのでしょうか?



〈アラベラ・美歩・シュタインバッハーさんのアンコール曲〉


第1797回 定期公演 Cプログラム
2014年12月12日
NHKホール


武満 徹/弦楽のためのレクイエム(1957)
ベルク/ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」
ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界から」

指揮:シャルル・デュトワ
ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー


No.1797 Subscription (Program C)
Friday, December 12, 2014
NHK Hall

Toru Takemitsu / Requiem for strings(1957)
Berg / Violin Concerto
Dvořák / Symphony No.9 e minor op.95 “From the new world”


Charles Dutoit, conductor
abella Miho Steinbacher, violin

コメント
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