日本で年末と言えば第九に行くのが相場なのかもしれませんが、どこも割高の演奏会料金にどうも気が向かず、代わりにと言っては失礼ですが、一昨年も行った新国立劇場へシンデレラを見に行きました。この演目は踊りもさることながら、美しくかつ緊張感があるプロコフィエフの音楽が大好きです。
この公演でシンデレラを踊ったのは米沢唯さん。とっても可憐で踊りも優美でした。安定していてかつ演技も上手で非の打ち所がない感じ。観ている方も自然と優雅で幸せな気分になります。シンデレラに加えて、仙女の堀口純さんの艶やかな踊りと道化の奥村康祐さんのメリハリ効いた動きの良さも印象的でした。
今回の演出は一昨年末と同様、アシュトン版。私はこの版しか観たことないので比較はできないのですが、何度見ても想像力を掻き立てられる、美しい舞台です。
必ずしも満足では無かったのはオーケストラ。音は良く鳴っていたと思うのですが、総じて大雑把な印象で、全体としての統一感・バランスや繊細さにはもう一歩との感想を持ちました。
クリスマスシーズンと言うこともあってか、会場は子供連れの家族が多く、熱気に包まれていました。拍手の反応も良く舞台と一体になって盛り上がった、とっても気持ちの良い公演でした。第九も良いですが、年末の「シンデレラ」はほのぼのと1年を締めてくれます。
《ツリーを前に写真を取る家族連れ》
芸術監督:大原永子
Artistic Director : Ohara Noriko
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
Music : Sergei Prokofiev
振付:フレデリック・アシュトン
Choreography : Sir Frederick Ashton
監修・演出:ウェンディ・エリス・サムス
Production Directed and Supervised by : Wendy Ellis Somes
装置・衣裳:デヴィッド・ウォーカー
Designs : David Walker
照明:沢田祐二
Lighting : Sawada Yuji
指揮:マーティン・イェーツ
Conductor : Martin Yates
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
Orchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra
シンデレラ:米沢 唯
王子:菅野英男
義理の姉たち:古川和則, 高橋一輝
仙女:堀口 純
春の精:柴山紗帆
夏の精:飯野萌子
秋の精:五月女 遥
冬の精:細田千晶
道化:奥村康祐