その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

都響 「作曲家の肖像」シリーズVol.100《シベリウス》/ 指揮 大野和士

2014-12-13 21:50:52 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 来年度から音楽監督に就任する大野和士さんと都響のシベリウス・プログラム。とっても楽しみにしていました。大野さんは私がロンドン在住中、隣国ベルギーの首都ブリュッセルのモネ歌劇場の音楽監督として活躍されていました。一度だけ、ロンドン・フィルハーモニックで「ダフニスとクロエ」の第一・第二組曲を振った時に聴きに行っています。(その時は、パンフにKazushi Onoってあったので、小野和志って誰だろう?と思っていたら、ステージに現れたのは大野和士さんでした)

 ファンファーレに相応しいスケールの大きな演奏だった「レンミンカイネンの帰郷」に続いたのは、ヴァイオリン協奏曲。私にはお初のヴァイオリンの三浦文彰さんは、「世界最難関と言われている」(プログラムより)ハノーヴァー国際コンクールで2009年に16歳という史上最年少で優勝した逸材です。ステージに現れた三浦さんは小柄で精悍な外見の若者でしたが、髭を生やしてちょっと不思議な雰囲気も醸し出していました。演奏のほうは、非常に素直で、変なアクセントをつけずストレートで美しい音です。丁寧に紡がれる、真っ直ぐな音は耳をそばだてて聴いてしまいます。ちょっと残念だったのは、音は美しいのだけど、それ以上の奏者のメッセージとか、強い想いのようなものが弱かった気がしました。もっと、エッジを立てて、三浦さんの個性を打ち出しても良いと思います。今後、大きく成長されることを期待したいです。

 休憩後の交響曲第5番は生で聴くのは初めての曲。大野さんはスケール感たっぷりに、豪快に音楽を作っていました。私自身、最近、N響のコンサートばかり続いているので、都響の音がとっても新鮮に響きます。金管セクションの音がとっても目立つなあ~。もっともこれはオケというより、ホールの違いなのかもしれませんが・・・。いずれにしても、爽快感一杯で大満足。

 音楽監督になったら大野さんはどう都響を作っていくのでしょうか?来年も作曲家の肖像シリーズは継続しましたので、これからの変化が楽しみです。



「作曲家の肖像」シリーズVol.100《シベリウス》

日時:2014年12月13日(土)14:00開演(13:20開場)
場所:東京芸術劇場コンサートホール

出演者
指揮/大野和士
ヴァイオリン/三浦文彰

曲目
〈シベリウス〉
レンミンカイネンの帰郷 op.22-4
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
 ※アンコール
 J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 BWV 1003よりアンダンテ
交響曲第5番 変ホ長調 op.82

"Portrait of Composers" Series Vol.100 <Sibelius>
Date: Sat. 13. December 2014, 14:00 (13:20)
Hall: Tokyo Metropolitan Theatre seat
Artists
ONO Kazushi, Conductor
MIURA Fumiaki, violin

Program
<Sibelius>
Lemminkäinen's Return, op.22-4
Violin Concerto in D minor, op.47
Sibelius: Symphony No.5 in E-flat major, op.82

※Today's Encore(12/13up)
J.S.Bach:Violin Sonata No. 2 in A Minor, BWV 1003: Andante
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