その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 12月定期Cプロ/ 指揮:シャルル・デュトワ/マーラー交響曲第3番

2015-12-13 09:00:36 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
 マーラーの3番は随分、久しぶりです。今年はマーラーをN響/パーヴァオさんで1番、2番を聴き、デュトアさんの3番で締めるという何とも恵まれた1年でした。

 今回もデュトアさんとN響コンビは素晴らしい演奏を聞かせてくださいました。この曲の特徴でもある金管セクションが良かったなあ。特に、トランペットの首席菊本さんはトランペットとポストホルンの2役をこなす活躍ぶり。第3楽章の舞台裏から響くポストホルンの音色は心地よく夢をみているかのよう。弦はチェロやコントラバスの低弦陣も、重すぎることなくしっかりとしたアンサンブルが好印象でした。

 歌手陣も素晴らしい。アルトのビルギット・レンメルトさんはもう横綱って感じの堂々たる歌唱で、東京音大やNHK東京児童合唱団の合唱も美しく、うっとりです。

 ただ、これはデュトアさんの解釈要因なのかN響の演奏要因なのか、ど素人の私にはわかりませんが、全体的に綺麗にまとまりすぎていて、優等生すぎないかなあ。 もっとはじけちゃなさいよ。そんな気はしました。素晴らしい演奏であることは間違いないのですが、マーラーの悦び、畏れ、そんな感情がもっと前面に出てもいいんじゃないかなあ。

 あと、今回の大きな収穫の一つはマーラーの3番ってこんなに素晴らしい曲なんだと、改めて気づかせてくれたことでした。長いけど、変化があって全く飽きることないし、死に向かって暗くなるわけでもない。最終楽章の美しさはこの世のものとは思えない。私は年末の第9には行かないのですが、第9でなくとも、年末を締めるにふさわしい曲だと思います。デュトアさんとN響に感謝。



《NHKホール前はすっかり冬景色》


第1824回 定期公演 Cプログラム

2015年12月12日(土) 3:00pm
NHKホール

指揮:シャルル・デュトワ

アルト:ビルギット・レンメルト
女声合唱:東京音楽大学
児童合唱:NHK東京児童合唱団

マーラー/交響曲 第3番 ニ短調



No.1824 Subscription (Program C)
Saturday, December 12, 2015 3:00p.m.

NHK Hall

Charles Dutoit, conductor

Birgit Remmert, alto
Tokyo College of Music, female chorus
NHK Tokyo Children Chorus, children chorus

Mahler / Symphony No.3 d minor
コメント (4)
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