久しぶりに一生懸命読んだビジネス書。テーマが他人事でない上に、筆者の経験に基づく記述一つ一つに頷かされることが多く高い説得力を持ってた。コンサルタントや学者さんが書くビジネス書にはないリアリティに溢れている。
10年来のJT社のグローバルM&Aノウハウを具体的事例をもとにかつ一般化も行いながら書かれているので、非常に分かりやすい。もちろん、現実にはここには書けない悩みやハードルも多いと想像するが、書籍に残せるノウハウとしては十分だろう。読んでいて筆者の改革マインドと行動力には感心するばかり。
世の日系企業は多くのM&Aの成功、失敗事例を積み重ねている。類書がもっと出ても良いと思う。この手の仕事に関連している人には強くお勧めしたい。
(目次)
第1部 世界で戦う―M&A戦記
(JTの海外たばこ事業
適切なガバナンスを前提とした任せる経営
JTインターナショナルの経営
なぜM&Aを選択したのか
進化するM&A
ギャラハー買収)
第2部 新CFO論
(門外漢がCFOになるまで
CFOのミッションとは何か
CFOはチェンジリーダーである)