その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

新貝 康司 『JTのM&A 日本企業が世界企業に飛躍する教科書』 日経BP社 2015

2015-12-15 08:30:00 | 


 久しぶりに一生懸命読んだビジネス書。テーマが他人事でない上に、筆者の経験に基づく記述一つ一つに頷かされることが多く高い説得力を持ってた。コンサルタントや学者さんが書くビジネス書にはないリアリティに溢れている。

 10年来のJT社のグローバルM&Aノウハウを具体的事例をもとにかつ一般化も行いながら書かれているので、非常に分かりやすい。もちろん、現実にはここには書けない悩みやハードルも多いと想像するが、書籍に残せるノウハウとしては十分だろう。読んでいて筆者の改革マインドと行動力には感心するばかり。

 世の日系企業は多くのM&Aの成功、失敗事例を積み重ねている。類書がもっと出ても良いと思う。この手の仕事に関連している人には強くお勧めしたい。

(目次)
第1部 世界で戦う―M&A戦記
 (JTの海外たばこ事業
 適切なガバナンスを前提とした任せる経営
 JTインターナショナルの経営
 なぜM&Aを選択したのか
 進化するM&A
 ギャラハー買収)

第2部 新CFO論
 (門外漢がCFOになるまで
 CFOのミッションとは何か
 CFOはチェンジリーダーである)
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