その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

躍進するインドを初体験(1):成長と貧困の両端

2019-05-06 07:30:00 | 日記 (2012.8~)

出張で人生初のインド・マレーシアの訪問の機会を得た。仕事以外のインド・マレーシア体験の印象を書き留めておきたい。

インドで訪れたのはムンバイーとベンガル―ル(バンガロール)。いずれもインドのIT産業を牽引する大都市である。

ムンバイーは、半分は私のステレオタイプのインドに近かった。蒸し暑く、人・車で一杯で、エネルギーに満ち溢れている。三輪タクシーが道路を縦横無尽に走り渡り、鳴りやまない車・オートバーィのクラクションは耳をふさぎたくなるほど。車線を思いっきり逆走してくる車、オートバイは当たりまえ。路上で横になって寝ている人が居ると思えば、車が止まれば車の窓越しに物を売りに来る子供たち。車窓から、新宿のホームレスの段ボールハウスの住宅街のようなバラックが立ち並ぶのが見える。現在の世界にも確固と存在する貧困の現実に、学生時代に途上国援助と経済成長について勉強し、多少はこの道に通じているほうと思っていた自分にも、久しぶりの衝撃だった。


<どこも車・車で街中が渋滞:ムンバイー>


<三輪タクシー この写真では見えないが6名が乗ってます:ベンガル―ル(バンガロール)>

 
<街中ではさほどは見かけませんでしたが牛も。ちょっと郊外に出るとあちらこちらにいます:ムンバイ>


<ムンバイーの野外洗濯場ドービー・ガート>

一方で、私の想像をはるかに上回るインドの成長の力強さも感じた。ムンバイー、ベンガル―ル(バンガロール)とも建築中の高層複合ビルやマンションであふれている。街中で地下鉄や高架鉄道の建設が進む。道路が一日中渋滞しているわけである。エリアによっては先進国と全く同じブランド店やスーパーマーケットが並び、そこでは中産階級以上のインド人が買い物をしている。道路は凸凹だが、車もスズキ、トヨタ、ベンツ、TATAなど世界中の車が走っている。新聞には、いろんな学校がIT、ビジネスのプログラムを宣伝していた。


<いたる所で高層オフィスビルやマンションが建設中:ムンバイ―>


<車窓からはいたるとことにIT企業のビルやエレクトロニック・キャンパスやビジネスセンターが見えます:バンガロール>

 
<日本にもあったスーパーSPAR ベンガル―ル>

仕事では、パートナーリングをしている企業や顧客企業を訪問し、市場や今後のビジネスについてディスカッションしたが、どのビジネスパーソンも、確固たるビジョンでロジカルに戦略を主張する。中でも、インドのITを牽引するベンガル―ル(バンガロール)で訪れた某IT企業のキャンパスはこれが企業の敷地かと思うような、アメリカの大学のキャンパスとビーチリゾートホテルを折衷したような一大キャンパスで、私が持っている「職場」の概念がひっくり返った。


<訪問企業が入っていたオフィスビル ムンバイー>

今さら実感しているようでは一周、二周遅れなのだろうが、この国、50年後はどうなっているのだろうか?この人口・マーケットとインフラと教育が活き割ったら、とてつもないパワーを発揮するに違いない。躍進するインドのパワーに押しつぶされそうになった数日間の滞在経験であった。

コメント
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