インドに続いてマレーシア・クアラルンプールを訪れたが、あまりの違いに愕然とした。インドで、駐在員が茶化し半分と自虐半分で「あいつら(マレーシアの駐在社員)、楽してますからね~」と言っているのが微笑ましかったが、その意味が良く分かった。街が整然としていて、静かで、きれいで、人もマイルド。何もかもがインドとは逆で、海外勤務先としては全く不足ない。どっかの協会が毎年やっているアンケートで、13年連続でロングステイ希望国第一位に選ばれているというのもわかる。
24時間未満の滞在だったので、ビジネス以外は殆ど時間が無かったが、夜の風景と朝のジョギングで採った写真だけ残しておきたい。
まずはクアラルンプールの近代化を象徴する建物ペトロナス・ツイン・タワー。高さ452m。まるで近未来映画を観るようなライトアップになっていた。息を飲むような威厳ある美しさである。
<ペトロナス・ツイン・タワー>
インドでは現地駐在者から「安全管理上、夜一人で勝手にぶらつかないでくださいね」と釘を刺されていたのだが、クアラルンプールでは自由に行動できる。ビジネス・ディナーが終わった後、ホテルの周りをぷらぷら。屋台の串屋さんに出くわす。屋台街では無く、この屋台だけぽつんとあったのだが、人が絶えることなく訪れていた。現地通貨を持ってないので残念ながら試食はできず。
翌朝、チェックアウトまでの時間を使ってホテルの周囲を1時間ほどジョギングした。
華僑系が四分の一を占めるマレーシアらしく、中国系の仏教のお寺があった。お堂の中には立派な観音菩薩の仏像があり、仏像ファンとしては嬉しい。
<金ぴかの観音菩薩。最近は日本の古い仏像ばかり見ているので、金ぴか仏像を観るのは個人的にはまれ。本来、仏像とはこういう金ぴかなものなんだけどね>
しばらく行くと、丁度5月1日だったためか、メーデーを記念したジョギング・ウオーキング大会が開催されていて、私も途中までジョイン。イスラムの国らしく、女性はみんなヒジャブを被っている。マレーシアにおけるメーデーの位置づけは良く分からないが、皆さん仲良く楽しそうに、友達や家族とおしゃべりしながら、走ったり歩いたりしている。
行進団を離れ、KLタワーを目指して、昔はジャングルだったのだろうかと思わせる林の中を進んだら、「危険生物に注意」の看板があり、ちょっと肝が冷えた。サソリとかがいるらしい。
<この写真見ただけで鳥肌立つ>
なんとかKLタワーのふもと迄到着。錐のような独特の形をした通信タワーである。まだ朝早いので展望台(276m)までは上がれなかった。
前日の夜に眺めたペトロナス・ツイン・タワー前に今一度。高いわ。
段々と雲が切れて青空がのぞいてきた。実に綺麗な青空で、この青空はスモッグにまみれたインドではなかなか拝めないだろう。
<さわやかな青空>
観たところが限られてるのでほんの一面をかすっただけなのだが、なんかアジアっぽくないクアラルンプールの近代都市ぶりが、初マレーシアの私にはとっても驚きだった。中華街や市場とか行けばまた違った一面もあるのだろうが、アジア的な喧騒、エネルギーというよりも、秩序ある整備された国という印象だ。もう少し掘り下げてみたいなあと、後ろ髪惹かれる思いで、帰国の途についた。