先週に続き、N響定期演奏会に。代々木公園の緑もあっという間に色が濃くなっていく。今日はヤルヴィ・パパ(以下、パパ)の登場だ。パパは90年代中頃私がミシガン州に滞在していた時に、デトロイト交響楽団の音楽監督を務めていたので、個人的にも親近感がある。いかつい風貌は前と変わらないが、コンサートマスターの伊藤さんと並ぶと優に倍はあると思われる巨体を動かすのはちょっとしんどくなってきた感じ。
1曲目はシベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォ。2014年2月に尾高・N響で聴いて以来だが、今回もN響らしい弦の美しいアンサンブルが素晴らしく、5分程度の楽曲だが感銘はひときわだった。1曲目とは思えない大きな拍手が聴衆の満足度を語っていた。
続いて、ヤルヴィ家の母国エストニアの作曲家トゥビンの交響曲 第5番。私は全く初めての曲。この作曲家、パパが世に広めた貢献者の1人らしい。曲は緊張感と優しさが両立するもので興味深く聴いた。特にパーカッションの強打が印象的。なかなか聴けるものではないパパならではの選曲が嬉しかった。
(蛇足だが、プログラムによるとこの曲はN響では始めて取り上げるそうだが、むか~しのプログラムには、世界初演、日本初演とかN響初演とかが曲目次についていた記憶があるのだが、いつの間にかそういう記載はなくなったのだろうか。)
後半はブラームス交響曲第4番。前回は17年にルイージ、N響で聴いている。パパのブラームスは、ブラームス特有のくどさが抑えられ、さらっと流れるもので意外な展開だった。かなり前のめりで聴く準備をしていた私には、肩透かしにあったような感じ。特に、第1楽章はかなりハイペースで、「おいおい・・・」って感じで戸惑った。演奏自体は非常にまとまって、熱演であったとは思うのだが、個人的にはもっと重厚長大系の演奏の方が好み。が、満員とまではいかないまでもかなり埋まっていた客席からは、ブラボー含め大きな拍手が送られ、パパも満足の様子であった。
第1913回 定期公演 Cプログラム
2019年5月18日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール
シベリウス/アンダンテ・フェスティーヴォ
トゥビン/交響曲 第5番 ロ短調(1946)
ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98
指揮:ネーメ・ヤルヴィ
No.1913 Subscription (Program C)
Saturday, May 18, 2019 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall
Sibelius / Andante festivo
Tubin / Symphony No.5 b minor (1946)
Brahms / Symphony No.4 e minor op.98
Neeme Järvi, conductor
<もうすっかり、初夏の様相>