2日目は、恒例の朝の観光ランニングからスタート。今回は6:15にホテルを出発し、平城京跡を目指した。日中は平城京天平祭なるイベントを開催中だったようだが、7時前の平城京跡は散歩のお年寄りたちと私のようなランナー以外は人影はなく、広々とした都跡をほぼ独占できた。真っ青の朝空とまだひんやりする朝の空気の中、鳥の鳴き声が響く都跡はとっても長閑だ。広い空間をジョギングしながら、大いに賑わっていたであろう1200年前の都の様子を想像するのは楽しい。
<朱雀門>
<大極殿:天皇の即位式や外国使節との面会など、国のもっとも重要な儀式のために使われていたとのこと>
<周囲はこんな感じ>
朝食後、この日の予定は奈良市から南へ遠征なので、まずは室生寺へ向かう。奈良駅からJR桜井線(9:35)に乗り、桜井駅で乗り換え、近鉄名古屋線の室生口大野駅まで行き、そこから路線バスに乗って11:00にやっと到着。この日は、女人高野とも呼ばれるこの素朴な山寺を訪れるには最高の季節、気候、天気だった。初夏を思い起こさせるような太陽の光と新緑が目に沁みる。
丁度、室生寺名物の石楠花が満開だった。「石楠花の淡い色あいを楽しむにはやや陽が強すぎる感があり残念」なんて言ったら罰があたるかもしれないほど贅沢なことだが、美しい石楠花を愛でるには曇りや雨の天気のが相応しいかもなんて思わせるほど、午前中から日差しが強かった。
階段を上るとすぐに金堂が目に入る。平安時代初期の建物がそのまま残っている。中に入るとその仏像群が圧巻で息を飲む。本尊の釈迦如来立像を中心に、薬師如来、地蔵菩薩、文殊菩薩、十一面観音などが脇を抑える。そして、如来や菩薩の前には十二神将が並び立つ。ここにあるべきものがここにある、その完璧な空間に立ちすくんだ。平安時代から世が変わっても、天変地異があっても、ここにあったこの仏たち。その奇跡に言葉が出ない。仏像としては、特に、左端の十一面観世音の神々しさに打たれる。
<金堂>
<こちらは以下の奈良県公式観光サイトから転載した金堂内>
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/03east_area/muroji/event/s01huervmg/
30分弱ぼーっと見とれていたが、気を取り直して次のお堂、灌頂堂(本堂)を訪れる。これは鎌倉時代の建築でこちらも国宝。中には、本尊如意輪観音菩薩像が安置されている。
<灌頂堂(本堂)>
<石楠花が美しい>
そして、さらに奥の院を目指して約400段と言われる石段を上りはじめる。その入り口には日本最小の屋外の五重塔がある。平安時代の初期に建築された国宝なのだが、どうも新しくってそれっぽくない。平成10年(1998年)の台風で大損傷となり、その後修復したためらしい。(帰り道のお寺のショップで損傷を受けた五重塔の写真があったが何とも痛々しかった。)
<五重塔>
ふ~ふう言いながら登る。昔、山形の山寺(童謡の「山寺の和尚さん」の舞台)の石段を上ったのを思い出した。途中、蛇やトカゲを見かけた。みなさん、「いよいよ俺らの季節だぜ~っ」て感じで、あらゆる生き物が動き始めている感じだ。
<結構勾配もきついです>
<奥の院>
<奥の院から室生の里を見下ろす>
奥の院自身はこれと行った見ものは乏しく、こんなに頑張ってのぼったのにと少々拍子抜けのところはあったが、木の葉の隙間から村を見下ろすのは自分の頑張りを褒めるのに十分だ。
自然と一体になったこの寺は、四季それぞれで楽しめるだろう。次はまた違った季節に訪れたい。
<移動を優先し、昼飯は蓬入り回転焼で凌ぐ>
(つづく)