駅から30分弱歩いて、フィラデルフィア美術館の前庭到着。相変わらず、圧倒的な威圧感です。
(美術館前ロータリーから)
【ロッキー像】
もしかしたらフィラデルフィア美術館はこっちのほうが有名かも。ここは、不屈のアメリカ映画のシリーズ「ロッキー」のロケ地であり聖地です。ロッキー(シルベスター・スターローン)がトレーニング、ランニングしていた場所がここなのです。美術館に横には映画を記念してロッキー像が立っています(像はスターローンとは似ても似つかぬ風貌です。また、あやふやな記憶では、私の滞在当時はここでは無くて、フィリーズのスタジアムの前にあった覚えがありますが・・・)
(ロッキーランというランニングイベントが開催されていた様子)
周囲は、ロッキー像との記念撮影や映画のシーンにあった美術館の階段を上って吠えるロッキーをそのまま自己再現するロッキーフリークたちで盛り上がっていました。楽しいよね、こういうの。
(吠えるロッキー)
【美術館】
35年ぶりの再訪。建物の外観、内部ともに当時と全く変わらずに堂々と厳かに佇んでいます。しかし、私の鑑賞体験は当時とは桁違いに衝撃的なものでした。
とにかくコレクションが膨大。中世から現代に至るまでの西洋美術、現代アメリカ美術からアジア美術までが広い建物中に一杯に展示が去れています。とても半日、1日では廻り切れないボリューム、かつ質も高い作品がゴロゴロ転がっている。30年を経て、下手に知識と鑑賞経験だけは積み重ねた私はもう目移りするばかりで、集中できない。貧乏根性丸出しで「勿体ない、勿体ない」と呟いていました。
それでも、好きなルネッサンス系、17世紀オランダ絵画、イギリスのホガースやコンスタブルの絵はじっくり見ました。建物中央の吹き抜けのホールの壁には、ベルギーのタペストリーも連なって吊ってあります。日本ではなかなかお目にかかれない量です。
ボッティチェリ<若者の肖像画>1465-1470
ボス?
ホンモノ議論が進行中のフェルメール<ギターを弾く女>(完成度高いホンモノ確実はロンドンのケンウッドハウス蔵)
1958-65 Jan Steen
1822-1824 ジョン・コンスタブル
館内のいくつかの部屋は、所有者だった西洋人の部屋を模した作りになっているのも、落ち着いた鑑賞環境を提供してくれて良いです。個人名を付したギャラリーと名のつく部屋が多いのも、こうした絵を買い漁った富豪たちの富の力を見せつけられているようでアメリカチック。
そして、なにより空いています。こんな名画に囲まれているのに、だれかと一緒に見ることは全くなく、完全独占鑑賞。なんとも贅沢な空間と時間でした。
それでも、スケジュールの都合で滞在時間3時間半、廻ったのは半分程度で涙の退館となりました。
フィラデルフィア美術館。絵画好きの人はニューヨーク、ワシントンDCから無理してでも訪れてほしいところです。
(正面はフィラデルフィアのへそとも言える市庁舎)
2023年11月9日
(つづく)