セントラルパークを走って、ビール飲んでハンバーガーを食した後は、昨夜に続きリンカーンセンターへ。予約済みのニューヨークフィルのコンサートへ突撃しました。
昔はエイブリー・フィッシャー・ホールという名だったと思うのですが、今はディヴィッド・ゲフィン・ホール、ウー・ツァイ・シアター(Wu Tsai Theater)と名を変えて、全面新装されたようです。随分、ダウンサイズした印象がありましたが、その分ステージが近く、奏者が身近に感じられます。
(ディヴィッド・ゲフィン・ホール)
(次期音楽監督のグスターボ・ドゥダメル)
今回の目玉は、私にとってはロンドン、東京、ザルツブルグで聴いたニコライ・ズナイダー君ソロのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。指揮はN響でも何度か聴いているステファン・ドゥネーヴさん。
冒頭のCarlos SimonのFate Now Conquersという小品はとっても刺激的な曲でした。1815年のベートーヴェンの日記の一節にインスパイアされたという曲は、緊張感に溢れて、畳み込むような音楽。全く初めてで、意表を突かれました。1曲目から会場も大きく沸き、作曲者カルロス・サイモンさんも登壇されました。
続く、本命のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。相変わらず、ズナイダーさんのヴァイオリンの音色は美しいです。透明で済んでいて濁りが無い。それでいて優しく、豊かで滋味がある。この日も、シミ一つないヴァイオリン協奏曲を聴かせてくれました。
ドゥネーヴさんとNYPの演奏は、ズナイダーさんにしっかり寄り添い、目立たず、かと言って伴奏に徹するわけでもない。絶妙なバランス感で、ソロ・ヴァイオリンを盛り立てていました。
会場は、演奏が終わるや否やスタンディングオベーションの大拍手。隣席の常連と思しきご婦人も「彼はパーフェクトね!」と超ご満悦の様子でした。拍手に応えて、アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタの中の一曲。こちらも味わい深いものでした。
後半は、サン=サーンスの交響曲第3番 (オルガン付き)。確か、実演体験はデュトア/N響で一度きりです。
が・・・、前半戦が終わった安堵感と午前中のランとお昼のビールによる疲れが一気に押し寄せ、せっかくの後半は意識朦朧の中での鑑賞。ドゥネーヴさんの見事なオケ捌きと海外オーケストラならでは重層的で重厚な音色は実感できましたが、それ以上は感覚麻痺で自分に残念な結果となりました。
会場は、終演後大拍手。隣のご婦人も「彼(ドゥネーヴさん)のことは良く知らなかったけど、良いじゃない~。あなた知っていた?」と喜んでいました。録に聴けてない私でしたが、「ええ、日本にもたまに来てくれるんですよ」と答えておきました。こんな、会話が自然と発生するのもなんか海外っぽいですね。
SUN, 12 NOV 2023
2:00 PM
Carlos Simon, Fate Now Conquers
Beethoven, Violin Concerto
Saint-Saëns, Symphony No. 3, Organ
Artists
Stéphane Denève, Conductor
Nikolaj Szeps-Znaider, Violin
Kent Tritle, Organ