飛行機の中で視聴。
2002年に端を発したWinny事件(P2P技術を活用したファイル共有ソフトを開発した金子勇氏が著作権侵害行為幇助の疑いで逮捕されるなどした)扱ったノンフィクション。事件とその一審裁判の過程が、プログラム開発者金子勇氏とその弁護団視点で描かれる。メディアで断片的な知識はあったものの、事件の背景や性格が理解できる社会派ドラマ。
派手さはないが俳優陣が好演。特に主人公の金子勇を演じる東出昌大は、天才的なプログラミングセンス、スキルを持つものの、世間一般常識には乏しい主人公を、人間味あふれる人物として好演。ラストに当時のリアル映像が流されるが、そこに登場する金子勇氏本人と雰囲気を含めてそっくりで感服した。
実際の事件を扱っているだけに綺麗な整理、物語ありきではない。警察・検察の「結論ありき」捜査、金子氏個人のテクノロジーへの情熱と葛藤、法廷での検察と弁護団との対決、法秩序の維持者であるはず警察自身の組織内不正、技術開発の促進と責任の境界など、様々なテーマが入り交じっている。なので、映画としては焦点がわかりにくいところはあるものの、見応えある作品だった。
スタッフ・キャスト
監督:松本優作
原案:渡辺淳基
脚本:松本優作、 岸建太朗
東出昌大:金子勇
三浦貴大:壇俊光
皆川猿時
和田正人