パッと見、野球選手にしては線が細そうだったイチローと、自分でも言っているように、底辺からの成り上がりの矢沢とは、その環境や生い立ちは違えども、頭を取ってやるという信念は同じで、それを実現した。
ふたりともファンや同じ業界の人間からはもちろん、異業種の人間からもリスペクトされている。
もちろん、それらに異論はない。
しかし、ある違和感が払拭できない。
それはインタビュー時のふたりの喋りだ。
イチローは禅問答風で、矢沢は唯我独尊風だ。
誤解してもらっては困るが、あくまで風で、それもいい意味でだ。
話している内容は、取り立てて珍しいことでもないのだが、それを独自の言い回しで言葉にする。
専門用語や難しい言葉を使うわけではないが、やや的からズレた比喩や、意識したような微妙な間がしばしば見られるのだ。
まっすぐ目を見ながら、平凡なことをまわりくどく言われてもなあ。
いろいろ伝えようとする努力はわかるが、スーパースターたる威厳も崩さないようにしなければならない、という責任感もあるのだろう。
もっと普通に、簡単にわかりやすく話せばいいのになあ、と思うのは私だけだろうか。
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