★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

転職経験者は語る

2023年05月25日 11時24分27秒 | 徒然(つれづれ)
 転職サイトのCMが花盛りだ。
 昔は、一度就職したら、会社が倒産でもしない限り、定年まで勤め上げるのが常識だった。
 私が若い時代ももちろんそうだったが、転職という選択肢は少なからずはあった。

 かく言う私も転職経験者だ。
 就職難の折、大学を1留して入社したのは、石油製品販売会社の京都支社だった。
 
 入社試験を受けた会社はことごとく不採用で、卒業ギリギリに学生課の紹介で滑り込んだ弱小会社だ。
 その支社は、支社長以下、係長、平社員、事務のパートの子、それに私の5人の陣容だった。
 
 業務内容は、クルマの添加剤をガソリンスタンドやカーディーラーに販売するルートセールスだった。
 エアコンもついていないライトバンに商品を満載し、毎日、京都や滋賀のガソリンスタンドやディーラー回りだ。

 先の見えない不安と日々の営業の味気なさに、5年半で見切りをつけた。
 石の上にも三年というから、まあ、よく我慢して頑張ったほうだ。

 仕事をやりながら受けた中途採用試験では、何社か内定をゲットしたものの、当時の勤め先と大して変わらないランクの会社ばかりだった。
 最後に受けた通販会社は、説明会に大勢の応募者があり、落ちて元々の半ばヤケッパチで試験や面接を受けたのだが、幸運にも採用となった。

 その中途入社した会社は、名もない中小企業から、トントン拍子に東証一部へと急成長した。
 年収は1.5倍、完全週休二日、福利厚生は充実、仕事内容は楽チン、プレッシャーとは無縁のおっとりとした、いい意味でぬるま湯的な社風だった。

 俺が俺がの社員やリーダーシップをとる社員もおらず、穏やかな人間ばかりで、責任の所在も曖昧だった。
 それが逆に良かったのか、事業は時流に乗って、業績は右肩上がりだった。

 ほとんどの社員が転職組で、私同様、前の会社との雲泥の差、自身の運のよさを実感していた。
 私にしてみても、まるで地獄から天国へ来たような気分だった。

 その会社で、一応管理職まで昇進し、定年退職まで勤め上げたのは、ラッキーというほかない。
 現在、転職を考えている諸兄も、一度の人生、自身の運に賭けてみるのもいいだろう。
 

ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに磨きがかかってきた。しかしそのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがある。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
 読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする