木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

立命館大学へ

2014-03-01 22:34:27 | 木工
昨日は、立命館大学経営学部プロジェクト団体丹後村おこし開発チームの要請で、朝から立命館草津キャンパスへ。
この「丹後村おこし開発チーム」は、丹後の古民家の再生や、稲作りなどの地域での活動を通して「経営学を学び実践する場、学生の学びの場を創造」していくことを目指して活発に活動を展開しています。
今回のお話は、チームの古民家再生活動のきっかけともなった株式会社ヤスダハンズのMさんを通じて声をかけていただきました。
Mさんとは、3年ほど前、再生した古民家で使う地元産の杉を使ったテーブル兼座卓を作らせていただいた頃からのおつきあいです。
要請は、古民家の再生の際に出た古材をつかって座卓作りしたいので、その技術援助をしてほしいということでした。

1ヶ月ほど前に代表の学生さんに工房へきていただいて打ち合わせ。
作業をする部屋には機械も作業台も何もないので、いろいろな場面を想定し、馬、各種道具の他、電気鉋や角鑿機などの機械を軽トラに積みこんで出発しました。

用意されていた材は、厚み55mm、幅20cm~25cmの楢と、チャンチン?、柱材は、腐れや虫食いだらけの松と楓・・(-_-;) 
ほとんどが初めて木工をするという学生さんが挑戦するにはちょっと・・・・しかし、やるしかありません。
簡単に作業工程を説明した後、早速制作に取りかかりました。


まずは墨付け。柱材からは摺桟や脚。


天板に使う楢の材にも墨をつけ、鋸で切断。
文系の学生さんがほとんどで、さしがねや鋸を使うのは初めて、という人ばかり。
厚い楢の材をのこぎりで切断する仕事などはなかなか大変な作業ですが、みんな根気よく取り組み、作業はとてもスムーズに進みました。
初めての道具もうまく使いこなし、さすが古民家再生・修復などに取り組んでいる経験が生きているのを感じました。 


脚はほぞ組。
持って行った角鑿機を使ってほぞ穴開け。この作業はすべて建築科のA君が中心になって進めました。


着々と部材ができていきます。


天板は木端だけ鉋をかけて直角を出し、表面は荒材のままで接ぎ合わせ、後から表面を電気鉋で削りました。

ここまでして昼の休憩に入りました。
学生食堂で、窓越しに春めいてきたキャンバス風景を眺めて、学生さんと歓談しながらゆっくり昼食をとるのもなかなか良いものですね。

作業再開。

午後、一番の大仕事は、脚のほぞ切り。材は楓。
万力などないので、馬にクランプで固定しての作業。


耳付き天板の白太の腐れは鑿で落として反り台鉋で仕上げました。
根気よく、きれいに仕上げていました。

刻みのすんだ脚や桟は、電気鉋で削り表面を仕上げました。
この作業を中心に担当したのは、もう一人の建築科所属でチームリーダーのK君。
学生さんの作業姿勢からは、自分たちの作るものをより良いものにしようという気持ちが伝わってきてうれしくなりました。


最終に、天板と桟・脚を接合。


こちらは材料の関係で板足にしました。


塗装は残ってしまいましたが、一日で2台の座卓が完成しました。
左はオーソドックスな座卓。右はチームが設計した座卓、なかなかしゃれていますね。


最後に座卓の周りに座って記念撮影。

一日一緒に作業をしましたが、みんな和気藹々と楽しそうに作業を進め、私も一緒に楽しく作業ができました。
チームワークが良く、仕事を分担しながら力を合わせて仕事を進めるということが実にスムーズにできているのには感心しました。

自分たちの作った座卓を大いに活用してほしいのと、この経験を何かの機会に生かせてもらえたらと思います。
チームの皆さん!お疲れ様でした。次は上世屋で会えたら良いですね!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする