木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

金沢~信州への旅 信州編2

2017-08-13 23:56:44 | 木工
必要な用事を済ませた7日午後、小諸の谷進一郎さんの工房にお邪魔をしました。


私が谷さんを知ったのは、確かこの雑誌を見てだったように記憶しています。
1992年山と渓谷社発行のWOODY LIFE別冊の「手つくり家具作家図鑑」
当時私は黒田乾吉木工塾の塾生でしたので、黒田辰秋先生に影響を受けたという谷さんの作品は印象に残りました。
工房が長野県小諸市にあるということを知り、帰省時に小諸高原美術館で開かれていた展覧会で作品を拝見したりしていましたが、直接工房にお邪魔するというのはちょっと敷居が高かったのです。
今回やっと長年の思いを叶えることができました。


谷さんの工房の一画。私の工房もちょっと似た雰囲気・・かな。
FaceBookでも紹介されていた釿(ちょうな)やその斫り跡を生かした作品、昨年今年国展に出品された栃厨子や黒胡桃箱などを拝見していろいろお話しを伺いました。


また、奥様の谷恭子さんが主宰されているスタジオKUKUの展示室も案内していただきました。
三畳ほどの和室は、四方卓子や立礼卓、衝立など高品位な現代的和の空間だ設えられていました。
また、展示スペースに並べられたテーブルウェアや小物、木と金属を組み合わせたアクセサリーは大変上品で素晴らしいセンスの作品でした。
あまりアクセサリーなど買わない妻が帯留めをいただいたのもよくわかります。大変喜んでおりました。
居心地の良さに時間はあっという間に過ぎ、ついつい長居をしてしまいました。

谷さんはご自分の制作や若いスタッフの育成の傍ら、「木考会」に始まり「信州木工会」、「木の家具展」「木工家ウィーク」など、木工を志す人たちが集い、切磋琢磨できるための「集まり」作りに力を注いで来られました。
信州木工会の研究会は50回を重ね、その内容はWebページを通じ広く公開されています。
メーリングリストの木工家ネットでは様々な情報を受け取ったり発信したりできます。
それらの中で、これまでにどれだけ多くの木工家が学び育っていった事でしょう。
私も多くのものを学ばせていただいています。
谷さんのお人柄と果たして来られた役割は、日本の木工界の中でも特筆に値するものだと思います。
次の世代の方がそれを是非引き継ぎ、未来を切り開いていってほしいと思います。

谷さん、恭子さん本当にありがとうございました。
秋京都においでになるのを楽しみにしております。

コメント
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