またまた、重箱。今回は栃の杢を使ってみました。
ここまでは前回と同じ。仕口は隠し蟻(留形隠し蟻組接ぎ)です。
今回は底板を狂わない構造にする事を試みました。
十分に乾かし、狂いをとって厚み約8mmに削った板を、バンドソーで2枚に割りました。
これを鉋で削り平らにしました。厚みは約3mmです。
この間に3mmの厚さのスプルースの柾目板を、木目が直角の方向にはさんで接着します。
そうです、合板を作るのです。
本当はプレス機で圧着するのですが、ありませんので、平面を出した厚板に挟み、クランプを総動員して押さえました。
その数約30本。
接着剤は、PIボンドを使いました。
うまく接着できました。
これを、6mmの厚さに削りました。プレーナーを使うと縮みの逆目が飛んでしまう恐れがあるので、鉋で削りました。
片面を完全な平面に仕上げ、毛引きで厚みを出してもう1面を削ります。
ちょっと贅沢ですが、淡路の夕凪 1寸4分。
良く切れ、長切れする中仕工の鉋があると仕事がはかどります。
底板の3枚が仕上がりました。
側板に底板を嵌める小穴(溝)を突き、組み立てにかかります。
糊を付けて組み立てました。3つ重ねて大きさが揃っていることを確認します。
重箱の場合、使っている時は水で洗われ、使わない間は乾燥、と、木に取ってはかなり過酷な環境におかれます。
その影響を一番受けるのが底板です。長い使用に耐えるためには合板を使うのが良いのですが、拭漆仕上げにする場合市販の合板は使えません。
そこで、共木で合板を作ることを思い立ったのです。1枚の板を割って使うのですから、表と裏の木目は一致します。
プレス機がなくても、この程度の大きさでしたら十分圧着が可能です。
蓋もこの合板を使います。
そうですね。本当はその4つの他に、美意識が必要だと思うのですが、それをどういう方向で見定めるのか・・・それも迷いの連続です。
書物、ネット等でみても、経年についての
記述をあまり見つけられなかったもので、質問致しました。
お調べ下さり有り難うございました。
材と道具と技と知恵、その4つが大切なんだな~と思いました。
木工に限らず、料理などもそうでしょうが。
PIボンドの寿命(耐用年数)ですが、資料等にも明記されていませんのではっきりしたことは解りません。
調べてみましたら、1975年頃開発されているようですので、30年以上の実績はあるようですが、それ以上は、実証はされていないのではないかと思います。
素朴な疑問なのですが、接着したPIの寿命(耐用年数)ってどのくらいなのでしょうか。