木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

姫重三段 木地

2010-01-07 22:22:25 | 木工
仕口は隠し蟻(留型隠蟻組継)



三段の大きさをきっちり揃えなければなりません。


仕口の加工が終わった一段分の部材。


組み立て。
糊を付けて、ハタガネで押さえます。
一段ずつ締めますが、重ねて三段の形を合わせます。


今回、接着にピーアイボンドを使ってみました。
今までは木工用ボンドやタイトボンドを使っていたのですが、拭漆の際水研ぎをするので、耐水性があり、しかも肉厚にならない接着剤を探していました。
本当は麦漆を使えばよいのですが、完全に乾くのに時間がかかるのと、粘度が高く接着面が密着しにくいので細かな指物には使いにくいのです。
このピーアイボンドは、1年以上も前に入手はしていたのですが、2液を100対15の割合で混ぜなければならず、わずかな量を使うには使いにくかったのです。
精密なはかりを使い、1グラム以下を量っての混合が可能になりました。
粘度も木工ボンドよりやや粘度がある程度で、耐水性も問題ありません。
漆は乗りにくいと思われるので、接着面からはみ出さないよう注意は必要です。


蓋の裏すきはテンプレートガイドを作り、トリマーで掘りました。
角は丸くなってしまうので、彫刻刀で修正します。


木地が完成。


捨て摺り。日本産漆を使い、たっぷり吸い込ませました。

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