木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

日野やくし 裸祭り

2012-01-14 23:12:06 | その他
日野法界寺の裸祭りに行って来ました。
この祭りは、1月1日から続いていた修正会の結願の日に行われる行事です。



7時過ぎに家を出て、法界寺に着くとまずは本堂の薬師堂に参拝。
中では修正会の結願法要が行われていました。



やがて、阿弥陀堂の正面の縁に褌1つの子ども達が登場。



「頂礼(ちょうらい)、頂礼」のかけ声を掛けながら押しくらまんじゅう。




寒空をものともせず、元気いっぱい踊っていました。


子ども達が退場すると、井戸で頭から水をかぶり身を清めた大人達が登場。

やはり「頂礼、頂礼」とかけ声を上げながら踊ります。



子ども達と比べ踊りが長続きしないような・・・。
平均年齢がかなり高そうなのもその原因でしょうか?



これが「国宝の阿弥陀堂」の上で行われるというのもおもしろいですね。



薬師堂では、無病息災を願い僧侶に楊杖で頭を撫でてもらっていました。
もちろん私も撫でてもらいました。

京の町から離れた山里で、ささやかな幸せを願い、数百年にわたって行われてきた行事。
数百年の時が流れても、庶民の願いは変わっていないのです。



祭りの済んだ阿弥陀堂。
電灯の光に静かに照らされていました。

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漆刷毛が届きました。

2012-01-13 23:34:49 | 道具
東京の泉清吉さんから漆刷毛が届きました。

木工仲間のMさんにいただいた古い髪の毛を送って作っていただいたものです。
半通しにして、一寸六分と八分の2本にしていただきました。
良い道具には凛とした美しさがあります。
良く切れる鉋で削った尾州檜の光沢と手触りは何とも言えません。
泉さんありがとうございました。大切に使わせていただきます。


もう一つ道具の話題。鋸の目研ぎができあがってきました。

お願いしたのは、長勝鋸で有名な長津勝一さん。
2年ほど前、「ほんまもんの会」で長勝鋸を知り、自分の鋸も目研ぎをしていただこうと思っていたのがやっと実現しました。


早速試し挽き

右が今回目研ぎをしていただいた鋸で挽いたもの。一目瞭然です。



留めに挽いてもご覧の通り、鉋で削ったようです。
鋸で切るのが楽しみになりました。長勝さんありがとうございました。

良い道具、それを本当に生かせる仕事ができるよう頑張っていきたいと思います。
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曲げ輪っぱ弁当箱

2012-01-10 21:25:07 | 
久しぶりの更新。正月から、いくつかの仕事を並行して進めています。


秋の作品展で注文を戴いた、曲げ輪っぱ弁当箱。
外側は拭漆仕上げ。中は艶クロメ漆の塗り立て。やっと上塗りまでこぎつけました。


ここまでの道のりは・・・

木地固めの後生漆を摺り重ね、内側に隅錆。さらに生漆で固めた後クロメ漆で中塗り。



駿河炭で中塗りの研ぎ。



隅はクリスタル砥石でとぎました。
そして上塗り。



きれいに仕上がったかに見えますが、細かなブツがちょっと多い。さて、どうしたものか・・・



こちらは五稜箸の木取り。
普通の箸と菓子箸あわせて38膳分木取りをしました。



こうしてもうしばらく動きをみます。
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日野法界寺

2012-01-01 22:24:56 | その他
2012年が始まりました。本年もどうぞよろしくお願いします。
初詣を兼ねて、日野法界寺へ行って来ました。


新しい住宅地ができたのでその中を通ると、自宅から歩いて10分ほどで行けるようになりました。



山門をくぐると、左手に阿弥陀堂、右手に薬師堂が静かに佇んでいます。



阿弥陀堂の本尊は阿弥陀如来座像。
この仏様は、平安時代後期の仏様で平等院鳳凰堂の阿弥陀如来座像とよく似ています。
国宝にも指定されていますが、あまり知られていないようです。
本尊の前に座り静かに手を合わせると穏やかな空気に包まれます。
幼くして父と母を亡くした親鸞聖人もこの阿弥陀様に手を合わせていたのでしょう。



お参りをして外へ出ると、阿弥陀堂が新春の陽に照らされ、何とも言えない美しさを見せてくれていました。



裳階のついた一重の檜皮葺で周りに縁がめぐらされています。
鎌倉初期に建てられたものだそうですが、その優雅な姿は平等院鳳凰堂に通じるものがあるような気がします。






特に母屋と裳階の隅棟の2つの曲線のハーモニーの美しさは何とも言えません。



こちらは薬師堂。
ここが法界寺の本堂で、本尊に胎内仏が蔵おさめられた薬師如来が安置されています。
そのため、法界寺は昔から「日野のやくしさん」と呼ばれ、また、薬師如来には、胎内物が蔵められていることから「乳薬師」とも呼ばれていました。


法界寺を出て、すぐ近くの日野誕生院もお参りしました。

本堂の正面の石段を見ると、昔人間国宝シリーズのグラフで、黒田辰秋さんが奥さんと並んで腰掛けて写っていた写真を思い出します。
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