いよいよ春本番

仕事に行く前のひと時をベランダ越しの空を仰いでいる。灰色の中にミルク色した、温かみのある空が視界を覆っている。

気のせいか地上の花々を映しているような、淡いピンクも滲ませて、そよと吹く風も清しく心地よい。

花々の競演とまでは行かないまでも、小庭の花壇には妻の手入れによる花たちが今を盛りと咲き誇って、食卓の菜の数を補ってくれている。

こうして空を眺めながら窓の外を見ていると、アネモネのくねくねした細い茎と風に揺れる白、紫の花弁が、「ほんとうの春が来たよ」と微笑みながら囁いているようだ。

小さな花の囁きは、世の中の毒気を吸収してくれるエコの作用もあるらしい。

政党間の仇花も、ペリーが普天間に居ついていることも、「ほんの一瞬間の問題よ」と、歴史的な「ものさし」で目配りする。