conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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『歴史を否定する人』

2021-05-31 22:38:06 | 随想

歴史を否定する人に対して反論をすれば、明らかに間違った見識だったとしても、相手のまな板に乗ることになり、矛盾や誤りをついていくほど、相手の主張を格上げさせて反論する側のレベルに引き上げてしまうというのである。
『ホロコーストは無かった』という歴史の否定者に訴えられた大学教授は、裁判の席上で如何に対応すべきか弁護士と相談した結果、『歴史を否定する人と同じ土俵に乗ってはいけない』という結論に至った。(朝日新聞Globe概要)

実際に起こった提訴事件を映画化した『肯定と否定』という中で、法廷で展開される『ホロコーストは無かった』と訴える英国人、対する訴えられたユダヤ系米国人の大学教授は、弁護士と相談して決めたことが直接本人の答弁を避けるということであった。理由は『歴史を否定する人と同じ土俵に乗ってはいけない』と云う格言に導かれたからである。この映画は観ていないので何とも言えないが、似たような事例が日本にもあったと思い返した。『南京事件』の真偽である。

日中戦争がなぜ起こったか資料を見てみると、発端は日露戦争に始まっていることが分った。ロシアが管理権を持っていた中国北東部、俗に満州という地域を、ロシアから引き継いで日本の管理に置いたことに始まる。然し国際関係では日本の管理権に否定的な態度をとる国もあった。そこで日本の統治権を画策した石原莞爾中佐によって、柳条湖事件という鉄道爆破事件が引き起こされて、日中戦争への流れを作ったとある。その後は国民党中国政府がアメリカに働きかけて、アメリカが日本への経済封鎖に乗りだしたので、一気に中国本土への拡大作戦になっていった。南京事件はその過程にあると言える。一部の人は『南京虐殺はなかった』と云い、否定と肯定の狭間に歴史が歪んでいる。
この流れを観ると、疑いようのない大陸侵攻の歴史が見えてくるのだが、当時、日本の政治上層部はこの流れに反対であったそうだ。軍部が強硬な行動を起こして犬飼首相を暗殺し、軍政が敷かれて亡国への道を突き進んでいくことになる。

今の国際情勢は大戦前の状況に似ていると言われるけれど、先の見えない不確定な時代にあって、政治的経済的不安を抱いた各国の首脳が、自国の優位性を構築しようと力で押し切る態勢が目立ちます。米中関係が悪化している今、中国の覇権的拡張主義が、かつて日本の犯した暴走をなぞっているようにも見えるのは偏見だろうか。両シナ海の内海化、ウイグル自治区や香港に対する抑圧と強引な共産化の手法は、自由主義国陣営の反撥を買っている。この延長上に尖閣諸島や沖縄の危惧もある訳で、まるで20世紀の混乱を再来させるかに見えて時代錯誤も甚だしいのだが、頑なに我が道を行く姿は不気味でもある。


人は自分の姿が見えないのを良いことに、社会に反することをやってのける場合がある。AIの技術を利用して他国の機密を盗み取るハッカー集団は、新しい情報戦の様相となって、その領域は宇宙にまで及ぼうとしている。ハッカー集団は知らない間にサーバーを乗っ取り、機密情報を盗むだけではなく、重要インフラを遠隔破壊する事態も既に起こしてきているのだ。国家間の情報戦は既に発動されていると言ってもよいだろう。何れは逆探知の技術も飛躍的に進歩して、自動的にハッカー集団の発信サーバーを破壊する技術も確立されるだろうが、行く行くは宇宙戦争『スターウォーズ』如きの、素っ気ない未来戦争を先取りして欲しくないものである。

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約束の地

2021-05-20 22:21:16 | 随想

アウシュビッツの虐殺はユダヤ人の恐怖の記憶として、大戦後は世界の同情を集める人類の悲劇として私達の心に焼きついている。記録映画を観ると、ガス室に入る前の裸になった男女、そしてガス室から出てきた沢山の亡骸が、無言の帰還者としてガス室の外に放出された。この対比は強烈だった。彼、彼女たちは、「これからシャワーを浴びるから」とナチスに誘導されて入ったものの、シャワー口から出てきたのは水ではなく、ガスであった。
これだけの惨劇を受けたユダヤ人が、詳しくはアシュケナージユダヤ人が、パレスチナのガザ地区に猛爆撃を繰り返している。過激派ハマスのロケット攻撃に対応しているらしいが、イスラエルの対応には些か納得がいかない点もある。もともとパレスチナ人を追いやり、パレスチナの地にイスラエルを建国したのが1948年5月だから、大戦後である。米国の後押しがあって成立した国であるから、結びつきは今でも強い。アメリカはユダヤロビーが大きな影響力を政界に及ぼしていることから、イスラエル建国の影の力になったのであろう。
イスラエルとはヘブライ語で『神の支配』と云う意味だそうだが、ヘブライ人に神が約束された地カナンがパレスチナであり、今のイスラエルと言うことになる。しかし、神が約束したというのは、古代ヘブライ人のアブラハムに対してであり、イサクに対してであるから、メソポタミアが源流のスファラディユダヤ人こそが正統な建国者となるではないか。そうなるとアブラハムの血脈を受け継いできたと言われるパレスチナ人が、正統な子孫として約束の地に居住する権利がある。歴史は時として皮肉である。「ユダヤ人を迫害している者は誰か」と言っても問題の解決にはならない。問題を解決するには一方を排除するので無く、共存の道を探るしかないだろう。


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時代の変容

2021-05-16 22:11:44 | 随想

現代ほど宗教の色褪せた時代はないと感じるのは何故だろう。大宗教の一つをとっても、時代を引っ張るだけの精神的牽引力が従前ほどにはないのも理由の一つではないか。時代が大きな壁に突き当たり、価値観が崩れて、今までのものの見方では確証が持てない。何を頼りに生きてゆけば良いのか、今までの社会的規範となるものは一様ではなく、個々の思考と洞察による内的構造の変革が求められて、それぞれの世界観を自分の内に求めなくてはならなくなった。折しも新コロナの出現が、今までの社会の在り方を大きく変えようとしている。時代の変革という未知の波動によって、押し出されてきた歴史の変容ではないか。もちろん人間の行う作用も歴史に変容をもたらすだろうけれど。

LGBT性の多様やジェンダーにみる世相など、多様化の傾向を示していて、多様性を認め合う社会の出現が、世界の潮流に躍り出ようとしている。新しい時代の兆候が知らず知らずのうちに、人間をあるべき方向へと移行させようとしているのではないか。

世界の政治的混乱と軍事的動乱も、怪しい雲行きになってきた。他国を干渉するが自国がやっていることも他国から干渉されるという、世紀末症状の露出は、大国が大国としての責務を放棄しているからで、内的志向の弱小化にある経済と軍事力の疲弊は、民心の疲弊を呼んで心の余裕がなくなったことにある。力の平準化が進む一方で局地的な争いも起きている。リードしてきたタガが外れて、頭の悪い連中が共生を考えなくなった。これも時代の変容だ。

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コロナ禍と五月節句

2021-05-07 21:35:02 | 日記

五月五日[こどもの日]に恒例の大きな柏餅を食べた。小学生の頃から柏餅が大好きだったので、「雀百まで踊り忘れず」を地で行った昔の少年は、昔のままの大きな柏餅が今でも好きなのです。スーパー[オリンピック]の自家製限定品でしたが、今年はコロナの影響もあって、数量はかなり限定されていました。

コロナの勢いは下火になるどころか、更に燃えさかろうとしています。背景には色々あるでしょうが、国民は(と言っても一部の人だけど)ガバナンスを信用していないから、ほっつき歩いて感染を拡げているのです。
徐々にワクチンの数も増えているようですが、高齢者の優先枠に予約が殺到して、サーバーがパンク状態になっていたところもあります。私も6日朝9時を待ち構えて、Web予約サイトにアクセスしたのですが、何度アクセスしてもサイトに到達できませんでした。一旦諦めて所用の外出から帰った午後4時前に、再々々度アクセスを試みたのですが何度か失敗した後に、偶然の扉が開いて後は、とんとん拍子で2回目の予約が取れました。
なかなかアクセスが通じないと言うことで、予約サイトのボタンを頻りにクリックしがちですが、連打することでサーバーに負担をかけてしまうらしい。年寄りは気が短いのです。
Webサイトへのアクセスに不慣れな人も多いはずで、もう少し親身な説明があっても良かったかなと思います。

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