アメリカハナミズキ
赤い実が熟れていても 鳥は寄りつかない
固く閉ざされた実の中には 毒や渋が詰まっているのだろう
街路樹使節?として日本に来た晩秋の姿は 青空に映えて美しい
でも、どこか単独の内に秘めた想いが 虚空に漂うのは寂しい
自然の風物は人の心に語りかけて、その存在を意味あるモノに留める。
自分が対象物にどの様な感情を持つか、美感、嗜好、思想、生き様、
虚空は広げた風呂敷のようにハナミズキを包んで 私の目を待っている
澄みわたる大空にコスモスの花
鬱屈しそうな「Withコロナ」の日常、連日の雨とあって、いささか気分も滅入っていた。今日も予報では雨だったけれど、心地よい快晴に恵まれたので日曜菜園までの1キロ弱の路を歩いてみる。
菜園に程近い空き地では、澄み切った秋空に向かって、思いの丈を伸ばして咲いているコスモスの花に出会った。広大無辺の天空へと差し招く花の心が、縮こまっていた私の心をこじ開けてくれた。
犬の遠吠えもなく
斜陽の陰りゆく時のなかで
静かに鳴り響くものは何だろう
野は春の息吹に包まれて
小枝の芽吹きを喜んでいる
刻々と来るであろう宴の予兆が
大空を乳色に染めた
眠りから覚めた「時」の
醜い装いをただして
過去の骸を弔ったのは何時か
忘れものを探して
朝夕にたぐり寄せるものは
瑠璃色の潮騒の音か
それとも国事の争声か
今はただ巡り来る春の
従順な使者に敬意を表しよう
<目眩く世の末にても桜咲く>
絢爛と一世を風靡する桜花
汚れた空気を一心に吸い取り
すべては
野も山も原生の息吹の中にあった
西行も愛した桜花を
現世の澱んだ青空の中に
染め抜いて観る
桜の季節は短いけれど なにやら嬉しい 大和花
天気がよいので、ぶらりと散策です
野辺に出れば八重桜が重たげに咲いている
野ざらしのままに枝垂れる桜の なんと飾り気のない清さがいい
保護鳥の雄雉子も花見?に来ていたけれどカメラを向けると逃げていきました
土手に咲いていた可憐な野すみれ
そよと吹く秋風に誘われて、狭山丘陵のハイキングコースを歩きました。
空を渡る雲にも、深閑とした木々の佇まいの中にも、秋の深まりを感じている。
尾根わたる風の軽さや芒の穂
風誘い尾花はなびく狭山丘
無心かな我を見ている赤とんぼ
静寂と深まり行く秋の気配が辺り一面に漂っています。
高尾山に登る前の足馴らしだったのですが、結構くたびれました。
大空に羽ばたく鳥のように
地上の隅々が見渡せたなら
玉を抱く竜のように
研ぎ澄まされた怜悧な眼と
鋭利な爪を持っていたなら
恐れるものは何もない
恐れるのは自分の弱さだけ
地上で起きている事件も
何時かあの日の
リバウンドーーーーーー
辿れば歩みは覚束ない
地上に残した印は何処にある?
大陸プレートの激震が
眠れる巨竜を起こしたのか
大きな地響きが谺する
《バーバラ・ヘンドリックス》の宗教的歌曲集を聞いて
静寂に包まれた夕べ
束の間の安らぎのなかで
歌姫の美声に酔う
混濁した地上に
きらびやかに
朗々と
クリスタルボイスの
歌声が胸をうつ
ひと時が永遠の安逸へと
虚無の時に変わるなら
せめてこのひと時を
胸の奥底に
閉じ込めておこう
秀峰アンナプルナに相応しいその名も
『アンナプルナ』
孤高の気品さえ漂わせて美しい
色香を透過した純白の花びらが
モナリザのように見えてきた
西部プリンス球場で開催されている「国際バラとガーデニングショウ」から
ピックアップした一枚です。
「天井が低い」と嘆く子がいる
世界が縮まっているのは
貴方のせいだと言う
少女よ
過去のくびきから解き放て
己の呪縛を飛び越えるがいい
心を解放され赦すことは
何ものにも従属しないことだ
少女慰安婦の再生を祈る
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2015年もあと数時間で終わる
我がうちの出来事は少なく、世界の大事件が頻発したこの年
日本人も様変わりした。
今年を締めくくる一字は『安』とか
日米韓の安保が響き合う。
最終的に自分の身は自分が守るほかない。
ポケットにはナシのつぶてと
いくばくかの夢がある
ブログの皆さん愉しい正月を迎えてください。
明るい日差しを浴びて
一斉に空を仰いでいるのは
美容のため?健康だから?
いいえ、生まれた時から
太陽は母親のようなもの
慈愛と幸せを燦々と注いでくれた
いま私たちは地上の星
大地に根をおろして
愛と幸せの温もりを広めているのさ
そよ風に恥じらいを見せながら
思い思いの容姿に揺れる
ぴんと張った花弁は芯の強さを偲ばせる
都立秋留台公園にて
中秋の名月――千年の物語を秘めており
そぞろ気に夜の月を仰げば
こうこうと照り冴えて宙は近し
懐かしい感触は少年の夢か
秋風にたなびく雲のたえ間より
もれ出でる月の影のさやけさ―――藤原顕輔
顕輔さんごめんよ、たなびく雲が見当たりません。
秋の長雨とはこのようなものかと、古い記憶を懐かしむ心地がして、季節の急変を迎えています。
過ぎてみれば夏は遠くへ去り、目の前の状況に身も心も浸っている自分がいる。
台風18号に押された前線が、厚い雲の帯で列島を覆っています。野菜の生育と出荷に影響が出そうです。
つかの間の命ありてかりそめの棒の端にも玉を結べる
オリーブの実のつややかに長雨のあと台風来るらし
くたす雨の非情にて日々草の花も冷たき
心あてにそれかとぞ見る白露の 光そえたる夕顔の花
よりてこそそれかとも見めたそがれに ほのぼの見つる夕顔の花
ふと立ち寄った夕顔の邸宅
源氏は名を隠したけれど
それとなく察した夕顔が歌をおくります
さらに
光源氏が夕顔に返歌した一首を加えました
春庭さんがコメントに寄せてくれました
歌のように優雅な背景を伴ってはいないけれど
一応は夕顔の花をアップ
玄関前のビニールの紐にからませ
夜気を吸った妖精がひっそりと花開く
忍びつつ一夜限りを想いに寄せて
静間に匂う妖しさよ
そは儚くも君の面影を抱きて
なすすべも無き夏の夜半かな
☆こんな夜は『源氏物語』でも読んでみたいな
あらたまの美空は青く澄みわたる
心にひびく天のまほろば
松の内も今日でおしまい
冬の朝明けは我とともに
のんびりと立ちあがる
どこまでも澄み切った青空が
ひとすじの白雲を描いて迎えてくれた
千変万化の兆しを見せて
あたらしき年の行く末を思う
天空にあやなす糸の
つむげるは
松枝に干す天の羽衣