conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
[ブックマーク『conparuの白い航跡』もよろしく]

世紀末プロジェクション

2024-12-12 21:48:28 | 随想
世の終わり、即ち世紀末の足掻きが今日の様々な諸相に現れていると言おうか、偉そうに批評家ぶって言える身ではないけれど、下々から御大まで狂いまくっている。当然と言えば当然の現象だと思うのは、人間のなせる業が地球環境の悪化を伴って、便利で快適なはずの文化生活が、無残にも自らの首を締め付ける反作用に陥っているからだ。便利さはさらに良い物の発明を促し、それで終わることがない。欲求を満たすためには際限のない欲望が私たちを取り巻いていて、欲望のままに地球環境も破壊してきた。地球も病んでいる。人間の知恵が地球を傷めたのか、それとも地球が病んだから人間も劣化したのか、それらは絡み合って連鎖反応を起こしているようにも見える。時代とともに負のスパイラルとなって悪循環を伴ってきた。科学の進歩は夢色ばかりではない、逆行することもあるのだと、ここまで記してプーチン、ネタニヤフ、金正恩、シリアのアサド、トランプ等々の顔が都庁の壁面に映し出されたゴジラの姿とダブって、我の大脳皮質にマッピングされた。
 人間は便利さを求めて様々な物を発明し、商品化して発展してきたけれど、便利さの裏では環境を破壊する両面があって、人間社会の生きづらさも生産しているようだ。       
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ポンコツ顛末

2024-12-06 00:11:05 | 随想
 物が溢れている、未だにそう言っても良さそうな、東京の車社会の光景である。先日ブルガリア(だったかな?)から来た観光客が、都会を走る車はどの車もピッカピカだと魂消ていた、と、何かのニュースにあった。欧州全体に言えるかも知れないが、あちらの車はボコボコの車が多いようで、それであって平常心を保っていられるみたいな、安心感が醸し出されていたのである。翻って東京田舎に住んでいる我は、20年落ちのカローラを乗り回しているので、魂消た観光客の癒やし効果もあろうかと、自らの存在を示したい気にもなったのだが、前日までは快調に始動して買い物を済ませていたカローラ嬢、翌日の昼前に始動しようとしたら、?セルモーターがウンともスンとも手応えがない。JAFを呼んで、来てくれた若い作業員がトランスミッションのあちこちを棒で叩いて始動を試みたが、ウンともスンとも・・・そして今日(5日)のJAFのレッカー車を呼ぶになって、来てくれた中年のベテランさんが「ここしかない」というところを痛打すると、あら不思議、ブルンブルン、エンジンがかかってしまった。ディラーのT社まで搬送する必要もなくなったので、ベテランさんのレッカー車は万一に備えて、私のカローラの後からT社工場までついて来てくれた。丁度今日が6ヶ月点検を予約していた日でもあり、冬タイヤの履き替えもするので、トータルで言えばカローラ嬢は、すこぶるお利口な機転の利く車でした。月1回の高速道で隣県へ行くこともあるからか、未だにリッターあたり10キロメートル近くを走ってくれるのだ。
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敵も猿もの

2024-11-28 19:07:26 | 随想
 これからの戦争に勝者はない。通常兵器で始まっても、最新兵器の応酬から行き着くところは核の最終戦になるだろうから。問題は対立国の指導者の質にある。前近代的な思想にかぶれて、領土拡大や専制政治の力学に溺れる輩が核のボタンを支配していると、人類は猿の仲間入りだ。映画・「猿の惑星」では、宇宙脱出して他の惑星に着いたと思ったら、なんとその惑星はかつての地球だった。落ちのついた地球脱出劇は、所詮地球レベルで解決せざるを得ない人類の問題なのだと言えなくもない。チャールトン・ヘストン扮する宇宙船長が、渚に埋もれた自由の女神像を見たとき、望郷の喪失感は如何ほどであったであろうか。ウクライナもパレスチナも当地の人にとっては、廃墟の中の存在者としての虚しさが、何時終わるとも知れない出口なき戦いに疲れ切って、厭戦気分の瀬戸際にいる。頃は良しとばかり軟弱なバイデンに代わってトランプの出番となるが、プーチンとの駆け引きの強引さを見たいものである。ハッタリも戦術の内だからプーチンと渡り合うのも相性がいい。恐らくウクライナ東部のドンパス地方など、占領地の一部はロシアに帰属なんてこともあり得るが、半永久にEU加盟を凍結するが如きは、息を止めて我慢しろと言うに等しく、ゼレンスキー大統領は納得しないだろう。戦いの場で振り上げた腕を降ろす事ができないプーチンにとって、実利に即したトランプの提案を期待しているんだろうな。
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冬ざれの前に

2024-11-20 21:15:57 | 随想
今冬一番の冷え込みとあって、今朝の起床はなかなか布団から出られなくて寝坊してしまった。朝食の用意は自分の役目ではあるけれど、既に妻の手によって整えられていた。それでも就寝前と起床時に習慣となっているベッド体操の屈伸運動は欠かせない。お陰で体の動きはすこぶる(年の割には)いいのである。とは言っても寒さには弱い。重ね着に身を重くして、ぐんと気温が下がった晩秋初冬の奥多摩の風情を思いやっている。多摩の山々は紅葉が進んでいることだろう。五日市から奥多摩湖に抜ける高原の道では、重なる山間の樹木を前景にして、曲折する景観の展開に爽快な気分を味わっていた。山上から谷底へ敷き詰める黄金の彩りに、至福の時を手にしているのだ。今年はまだ、その景観を我が目におさめていない。時を手にしたいのだが未だ至っていない。
四季折々の宝物を手にしている我ら、日本列島の平和のど真ん中に居て大自然の恩恵を満喫している身ではあるけれど、一方世界を見渡せば住む家を壊され、寒中に身を晒して食に飢える人が居る。この理不尽な格差は何故に生まれているのか?この解を得るには、過去の歴史を旅しなければならない。

 奥多摩の高原に戻れば、登り口の数馬には温泉もあるけれど利用したことはない。多摩のあちこちに温泉があるけれど、入浴したのは五日市の「瀬音の湯」や日の出町の「つるつる温泉」くらいで、大方は自家風呂のゆったりした浴槽で足りている。
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来るべくして来た

2024-11-15 11:13:57 | 随想
 『来るべくして来た』、21世紀の前半にして様変わりの地球変革期に遭遇している。20世紀の大戦後の困難期である国民総貧乏の少年期を迎え、朝鮮動乱を経て日本経済は右肩上がりの復興を遂げてきた。1ドル360円の為替レートの時代であり、太平洋の荒波を被ってアメリカへ行った時は、10ドルの制限持ち出しという海上労働者最下位に対する規制?もどきの制限があって、碌なお土産も買えなかった。そしてSONYやHONDAからTOYOTAへと海外輸出最盛期を迎えて、我らの住宅取得も車の購入も可能になった。日本の労働者にとってプチアメリカ人になった気分が、極短い時間ではあったけれどあったのである。川を渡る飛び石の位置づけで、次なる経済勃興の地へと日本から離れて行ったのも自然の理のなせる業か、この大きな力に対抗するが如き夢よ再びの巻き返し力で、世界に激震を漂わせている大国の問題は危うい。北方の熊さんもこの激震を感知したからこそ動き出したのかも知れない。自然の理に抗する力は弱いものだが、せっかく自然の理で巡り合わせた恩恵を、自国の独断的政策のためにザルのごとくチャンスを滅する国には、運が隣へ飛んで行きかねない。
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混沌から次代へ

2024-11-07 22:55:08 | 随想
 2008年のリーマンショック以来、世界の経済は下降したまま新型コロナのダブルパンチを浴びてインフレ時代を引きずってきた。経済の状況とインフレの関係も素人には大雑把にしか分からないけれど、経済をけん引しているのはなんだかんだと言ってもアメリカである。トランプ政権が再登壇するとなると、関税引き上げは待ったなしで、輸出に頼る国々は戦々恐々の態であろう。中国もサプライチェーンの中心地として世界に商品を送ってきたけれど、不動産やインフラ事業の無理な拡大もあって経済の停滞を招いている。時代の変換期は吹き出物のように次から次へと問題噴出して、混沌とした世相が騒乱へと導いているのも、パターン化された人類史上の態様である。ウクライナやパレスチナ情勢がどのような終決を迎えるのか、場合によっては核の認識がガラッと変わるかも知れない。大国の位置づけも内紛の起こりようによっては様変わりするかもしれない。この次の時代はどんな姿をしているのだろうか。
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戦い済んで失望して

2024-11-01 10:50:48 | 随想
衆議院選挙が過ぎて世の中の動きが始動したかに見えたところ、野党の一部が是々非々をもって与党に与すると宣うた。つまり与党化するってことで本質的な今までの流れを補佐すると言うに等しい。今、問題になっているのは与党の政治姿勢のはずだが、政治の場の国会で緊張感がないのは、長期政権による独断と惰性によるのだから、これに対立する勢力を登場させ、国会議論を活発化しなければ緊張感は生まれないと、やや期待していた矢先にこの有様なので、選挙後のバラバラ政党の目論見は、目先にぶら下がった人参を追いかけて、崖っぷちが見えていないもどかしさを感じる。
 世界が混乱の最中にあって、小国弱国は大国の荒波に翻弄される危機的な時代であるから、大局に立たないと危うくする。文明も伝統も風俗も霧の中に彷彿として、地に足のついた姿は幻となるか?
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自己を知る

2024-10-24 13:12:45 | 随想
 「人生楽しく過ごそう」かつて悩みの多かった頃言われたことがある。『楽しく』とはポジティブに生きると言うことか、将来の不安を考えても如何なるものでないから、現在の置かれている状態を肯定しよう、だからくよくよしないことだ。おそらくこんな意味で友人は言ったのだと思う。人生観としては一理あるのだが、悩みの多い発達期は精神的な自我の構築に欠かせない通過点であるから、素通りしてはもったいない。端的に言うなら、「自己を知る」きっかけとなる。自分のことは自分が一番知っていると言う人もいるが、知れば知るほど自分がわからなくなる逆説的な論説でもあるから、異体の知れない自己を見届けられないで迷いの世界に入りかねない。信仰的な高みへ意識を押し上げることによって、その緊縛から離れられ、自分の内に働きかけてくれる超越した救済によって、自己がより見えてくるのだと思う。
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走馬灯を見つめる

2024-10-21 22:27:10 | 随想
眼前を様々なシーンが走馬灯のように過ぎ去っていく。それを喜ともなく悲とも無く見つめている自分は一体何者なのか?このような過去の情景に接するとき、時間という舞台にせり上がってくる造影が主体となって、見つめている我は添え物のような無機的な立ち位置にあって、まさに夢中の主客転倒した情景観察者の様子を呈しているのである。この我が健在な内はまともな生身だが、霧のように霞んでくると人間卒業になるらしい。人は出会いによってそれぞれの人間模様を作り出して、内面の奥行きを広げていくものだが、どのような対応をしてきたかによって、目も当てられないような恥ずかしいことも、また、忘れ去りたいほどの懺悔をも呼び起こすことになる。
 沢山の負の面を抱えた人生に気づいたとき、他者に対する思いやりも生じるだろうし、人間が優しくなれる。歳をとるってことはいいことなのだ。
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金満国家の輝き

2024-10-14 23:40:12 | 随想
 国力が落ちたとはいえ、未だに世界をリードする最大の大国と言える米国だが、その内側できしむ音は異様である。大戦後の救世主とばかり、政治経済の困窮する地域には手を差し伸べて救ってくれた恩人でもあった。敵国であった日本も廃墟のなかから立ち上がることができたのは、米国の援助があったからである。ただ無償というわけではなく、従属化という後遺症が現在にも及んでいて、くびきに繋がれた不自由な身を上衣で覆っている姿と言ったら叱られるかな。それなりの代償は高くついたし、戦後70年を過ぎても子供扱いのところもある。この本質的な米国の外交方針とやらが露骨に現れている現象が、パレスチナに対するイスラエルへの全面支持の加担であろう。米国にとってイスラエルは血肉を分けた肉親のような存在であるから、だとしても、パレスチナがアラブの一員だからと言う理由で、見て見ぬふりをするのはリーダーらしからぬ偏見と、ウクライナ戦争に対比する二重基準がまかり通って、かつての輝かしい威厳は何処にも見当たらない。大統領選も来月に迫り、トランプとハリス双方にそれぞれ5000億円超の資金が、ウォール街を主として集まるそうだから、当然政治姿勢もそちらに向いて、金満国家の輝きは増え続けていくことだろう。
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変われば変わる

2024-10-07 22:21:57 | 随想
今まで民主主義の旗手として、或いは正義の実践者としてスーパーマンのマントをヒラメカセテキタ御大国。正直に申せば、国が豊かな内は施しをし、貧すればなりふり構わずの搾取もする。世は大きく変わった。人間性から見れば至極当たり前の姿なのだから、驚くに当たらない。火宅無情の世界はつねに荒廃の中にあって、苦痛のなかから呻吟して新しい希望の明かりを見出すように仕向けられているのがわれら。かつての平和な生活が、ほんの一時の慰めであって、次にやってくる困苦の時間が無限とも感じる長い時代を作るとあれば、悪事も頻出するだろうし、それに伴う良識の善事も対立して湧き上がってくる、二項対立の図式がつねに我らの前に提示されるのだ。悪事があるから善事があるのか、善事があるから悪事も生まれるのか、だって我が事の内にもピロリ菌のように潜在してやまない。
 パレスチナの惨状はパレスチナ人こそがホロコーストのユダヤ人で、ハザール人のイスラエル人こそがナチスのゲシュタポの二項対立に見えてくるのも皮肉ではある。
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これからどうする?

2024-09-29 20:33:13 | 随想
自民党総裁選も終わった。過ぎてみれば自民党再生にふさわしいと見られる、石破さんが選ばれたわけだが、内憂外患の難しい舵取りを如何に裁いていけるのか、理想と現実の乖離も当然起こるだろうが、日米地位協定の改定だけは貫いて欲しい。既に米政府内から改定に対する警戒の念も囁かれているようで、前途は険しい。しかし独立国の基本的な条約なのだから、何時までも支配国と被支配国のような関係維持を強制することは、その国の国民を侮辱するものである。恐らく米国は、あらゆるルートを通して潰しにかかってくるだろう。今までの自民政権が敗戦後の従属関係から、制空権や基地問題の管理を放棄させられてきた。この事を国民レベルで強く訴えなければ米国は動かない。
 イスラエル軍がレバノンの民兵組織、ヒズボラの最高指導者を地下貫通弾で爆殺した。事態が悪い方向に展開すると誰もが予想することを敢えて実行した。その背景にあるのは豊富な武器弾薬とイスラエルを保護する大国のロビーストが支えている慢心から、己の姿を見えなくしているのではないか?イスラエルを支持する大国も本心から止める気配がない。大国にとって、自国の優位性が最大の判断基準だとすれば悲しいことだ
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我が事を憂える

2024-09-22 14:02:10 | 随想
我が事を憂える
 暗いニュースが多い近頃は世相を憂える気もあるが、自分の内を覗けばまた我が事を憂える。生きることの確かな手応えは、ほんの束の間の満足に終わって、夕べのことは夢にも残らない。つまり人間一般の傾向だと自らを慰めつつ、しかし――と思いは続くのである。ああなりたいこうなりたいと思うのは欲求の発露だが、なったらなったでもっと欲しいと欲の権化になってしまうのは成長とは違うな。沈思黙考して新聞広告に載った一文を反芻する。「無人島に一冊の本を持って行くなら『歎異抄』だ」とあった。かくて難解な『歎異抄』を手に取り、師釈の講話を謹んで拝聴したのはよいのだが、頭でわかるとしても心底に沈殿させることは容易ではない。歳をとると言うことは寿命の終わりに近づくこと、浅はかに生きてきた前半生に埋め合わせの利かない後悔が、晩生の脳みそを酷使する。そんな足掻きにも似た凡人の徒労を一蹴して、目覚めさせてくれるのが『歎異抄』なのだ。奥の深い哲学(らしき)の領域に入ると、残る人生の時間を食い潰してしまうオンリーワンの執着が疎ましく、あれもしなければ、これもしなければ、と雑念の貧乏素地が頭をもたげてくるのである。
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プーチン氏の賭け

2024-09-15 23:06:05 | 随想
 頂上を極めた後はひたすら麓を目指して降りていく。さのみあらず峰より峰へ連峰踏破する御仁もあるか。一向に降りる気配のないのがロシアのプーチンアルピニストだが、プーチンは何処まで行くつもりか。ウクライナが戦力では長期戦に不利なことから、モスクワ市内も射程に収めるハイマースの長距離弾の使用を米国に求めたそうだ。仮に300㎞射程のミサイル弾が使用されるとしたら、その後の展開は核使用の是非に及ぶだろう。国境からモスクワまでの距離は450kmだから直接には無理だけど、闇雲に事を始めて悪戯に事を延ばし、面子に固執すればますます事態は悪化する。世界をリードする指導者不在の当世は、アンコントロールの地球に対する太陽系外からの惑星弾が飛来して、滅亡の憂き目に遭わない限り目が覚めないらしい。
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現実と既視感の狭間

2024-09-03 22:16:59 | 随想
かつてアラビア航路に乗っていた頃、インド洋の沖ではインド音楽の低音リズムが流れ、アラビア海が近づくにつれて、ひときわ賑やかな低音アラブ音楽が流れてくるといった、地続きの電波伝播の如き印象だけが残っているのだけれども、音楽についてはさっぱり分からない雑音の領域で、ラジオの暇つぶしに流していたように思う。
 あの頃に比べれば、マラッカ海峡周辺国からインド、そして中東のアラブ諸国の距離感というか、心理的な近接感は、科学の発達で宇宙に飛び出したロケットマンの地球観のように、行ったこともない所にも親しく近しげに感じてしまうのは、一つには平和からほど遠い、引っかき回された傷による痛みを感じているからか、人類のアホの一人として歴史の一端を垣間覗いたことで、歴史にも矛盾があると、同情の念に心涙を浮かべたのが距離感を縮める元だったのか。同時にいつか日本もズタズタの擦り傷を負う日が来るかも知れない。世界のバイヤーに国土を買われ、おいしい地下水を汲み取られ、商業施設をファンドの投資で売却され、日本の政治はハックされる。こうならないように祈る。
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