2月も今日で終わり、恒例の山中行の日です。
のどかな春日和の中を西に向かって車を走らせました。甲斐に連なる山々は心なしかくすんで、さらに連なる空のすそも春の霞のごとく、雲のもやとなって峰を覆っていました。
T病院の「千一夜」を胸に抱いて、1,500CCの黒いボディが軽く弾みます。
ほんの少しの荷物でしたから、軽いのなんの・・・白いマスクも弛んできます。
目的地が近づくほどに、杉の密集が赤茶けた房をたわわにしならせて、風があれば一斉に飛散するであろう鈍重感を宿していました。
F町が相模原市に編入されて、街道のところどころに新しい標識はあるものの、見慣れた景観に変わったところはない。
あるとすれば、湖畔の焼け爛れたラブホテルが取り壊され、下半分ほどの大きさに再建されようとしているのが目につく程度である。湖水に面した橋下にあるので、人目につきにくいかも・・・老婆心で思うのでした。
人家のない、県道の大きくカーブした橋の袂が目的地の入り口で、知らない人なら其処に入るのが怖い、と思わせるに十分な寂寞感が漂っています。
入り口から30メートルほど奥に、小さく切り開かれた空間があり、隠遁者の庵のように鎮座して、私を飲み込むように待っていました。ここにもぐるりと杉が植えられていて、一つ一つの赤茶けた種房が手に取るように大きく見えていました。
のどかな春日和の中を西に向かって車を走らせました。甲斐に連なる山々は心なしかくすんで、さらに連なる空のすそも春の霞のごとく、雲のもやとなって峰を覆っていました。
T病院の「千一夜」を胸に抱いて、1,500CCの黒いボディが軽く弾みます。
ほんの少しの荷物でしたから、軽いのなんの・・・白いマスクも弛んできます。
目的地が近づくほどに、杉の密集が赤茶けた房をたわわにしならせて、風があれば一斉に飛散するであろう鈍重感を宿していました。
F町が相模原市に編入されて、街道のところどころに新しい標識はあるものの、見慣れた景観に変わったところはない。
あるとすれば、湖畔の焼け爛れたラブホテルが取り壊され、下半分ほどの大きさに再建されようとしているのが目につく程度である。湖水に面した橋下にあるので、人目につきにくいかも・・・老婆心で思うのでした。
人家のない、県道の大きくカーブした橋の袂が目的地の入り口で、知らない人なら其処に入るのが怖い、と思わせるに十分な寂寞感が漂っています。
入り口から30メートルほど奥に、小さく切り開かれた空間があり、隠遁者の庵のように鎮座して、私を飲み込むように待っていました。ここにもぐるりと杉が植えられていて、一つ一つの赤茶けた種房が手に取るように大きく見えていました。